アレルギー・アトピー

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食用油などに含まれる脂肪酸とその影響

1.食用油に含まれる脂肪酸の種類とその影響
食用油は、成分として含まれる、主な脂肪酸の種類によって、3つのタイプに分類されます。控えめに使う方がよいもの(オメガ9脂肪酸:主にオレイン酸;オリーブオイル・菜種油など)、あまりとらない方がよいもの(オメガ6脂肪酸:主にリノール酸;ベニバナ油・ひまわり油・コーン油・大豆油など)、むしろとった方がよいもの(オメガ3脂肪酸:主にα−リノレン酸;亜麻の実(亜麻仁油)・シソの実油など)の3種類です。

オメガ3・オメガ6・オメガ9とは、脂肪酸の末端のメチル基(化学式で書くと、一番左側に相当)の炭素をオメガ炭素というのですが、そのオメガ炭素から数えて、何番目の炭素に二重結合が入っているかということを示しています。例えば、オメガ3ではオメガ炭素から3番目と4番目の間に二重結合があることを示しています(C−C−C=C−C…COOH))。ちなみに、炭素数は上記の3つとも18個です。

また、植物性の油は不飽和脂肪酸(二重結合を含む脂肪酸)で、動物性の油は飽和脂肪酸(二重結合を含まない脂肪酸)です。植物性の油のうち、二重結合が一箇所しかない単価不飽和脂肪酸は、熱による変性が比較的少なく酸化されにくいそうですが(オリーブオイルなどオメガ9脂肪酸を含むもの)、二重結合が2箇所以上ある多価不飽和脂肪酸はとても酸化されやすい油だそうです(主に、ベニバナ油などオメガ6脂肪酸やしその実油などオメガ3脂肪酸)。ベニバナ油などリノール酸を多く含む油が市場に多く流通し、食用油の主役をなしております。また、食用油を商品化するために、酸化しやすいα−リノレン酸を取り除いて精製を行っているため、リノール酸とα−リノレン酸のバランスが大きく崩れているのが現状のようです。

ベニバナ油などに多く含まれるリノール酸は、体内でアラキドン酸に変化をします。このアラキドン酸はアレルギー反応やアトピー症状を促進させる原因物質のプロスタグランジンE2に変化します。アラキドン酸が増えると、血液に粘りが出たり、血管が収縮します。また、免疫力も低下させるそうなので、アレルギー・アトピー体質のあるお子さんにはなるべく使わない方がいいようです。

逆に、亜麻の実油などに多く含まれるα−リノレン酸は、体内でDHAに変化します。このDHAはアラキドン酸がプロスタグランジンE2に変化することを阻害するため、アトピー性皮膚炎やアレルギー反応を抑えて、免疫反応を高める役割を担っているそうです。血液をさらさらにしたり、血管を広げたりもするようです。そのため、積極的とは言わないまでも、むしろとった方がいいようです。

オリーブオイルや菜種油などオレイン酸を多く含む油は、他の2種類の油と異なり、酸化されにくいので、適度に使うのは構わないようです。 油脂類での症状には、酸化をした油が関与していることが多いので、油もの・炒め物などの加熱調理には、これらの油が良いと思います。

とはいうものの、リノール酸を多く含む油をまったくとるなという意味ではなく(リノール酸は必須脂肪酸のため)、上記に書いた油のバランスを考えて摂取すれば、あまり問題はないようです。しかし、市場に出ている主な油や価格的にも安価なものはリノール酸を多く含むものであり、逆にα−リノレン酸を多く含むものは市場に少なく、割と高価であるため、油の使用の際に問題となるようです。

その意味で、これら脂肪酸のバランスを整えるためにも、リノール酸を多く含む油を控えめにし、α−リノレン酸を多く含む油をとった方がいいようです。私が教わったのは、通常の油に、このα−リノレン酸を多く含む油(しその実油・亜麻仁油)をほんの少し混ぜるだけでも、アレルギー反応を抑える効果があるようです。

ところで、日本人はもともと油を多量に摂取する人種ではなく(月に1度あるかないか程度)、油といえば、オメガ3脂肪酸(α−リノレン酸)を多く含む魚中心の生活でした。しかし、ここ数十年ほどで食生活の欧米化が加速し、オメガ6脂肪酸(リノール酸)を多く含む食品の多用と魚中心の生活から肉類中心の生活となりました。また、下記2.で述べるトランス型脂肪酸の摂取の増加により、生活習慣病をはじめ、高コレステロール血症(これに続く、動脈硬化・心臓血管疾患・脳卒中など)、アレルギー・アトピーなど現代病の加速的増加をもたらしている要因となっているようです。このため、心臓血管疾患や炎症・アレルギー・がんに対するオメガ3脂肪酸の効果が研究で明らかにされており、亜麻の実(亜麻仁)油を毎日スプーン1杯でも食すると、これらの予防に効果があるようです。

2.マーガリンやショートニングなどに含まれる脂肪酸とその影響 
マーガリンやショートニングに含まれる主な脂肪酸は、トランス型脂肪酸です。しかし、天然に存在する油に含まれる脂肪酸はほぼすべてシス型の立体構造をしています。これに人工的に水素添加すると、トランス型という立体構造をもつ天然には存在しない油ができます。この水素添加により、シス型脂肪酸の結合をトランス型に変形した脂肪酸を取り入れることで、融点が上がり、室温においても固形を維持できるようにしてあります。「水素添加作用」ですが、金属触媒を用いて、約260度の高温で処理すると、シス結合の約半分がトランス型にかわり、この過程で触媒に用いたニッケルやアルミなどの金属が混入することもあるようです。

このシス型・トランス型とは、脂肪酸に含まれる二重結合を形成している二つの炭素につく各水素分子の結合位置のことをいいます。シス型はその二つの水素分子が同じ側面に結合し、分子が曲げられた立体構造となり、安定性が弱く、融点が低くなり、室温では液体となります(下図の上側)。一方、トランス型は二つの水素分子が二重結合の反対側の側面に結合するので、比較的安定した立体構造となり、室温でも固体もしくは固体に近い状態で存在します(下図の下側)。

 

そして、この水素添加された油は自然の油と異なり、すぐに腐ったり(酸化されたり)、嫌な臭いを出したりしないため、広く普及し、多くの加工食品(クッキー・クラッカー・アイスクリーム・パン・ケーキ・コーヒー用フレッシュ・レトルトカレーなど)に多量に使用されています。ほとんどの人は1日にトランス型脂肪酸を体にいくらか入れていることになります。また、缶入りのベニバナ油やコーン油などの植物油も高温で処理されていると、その一部がトランス型脂肪酸に変性している可能性もあります。そのため、マーガリンを調理に用いて、加熱調理をすると、トランス型脂肪酸をさらに増加させる原因ともなります。もし、マーガリンを使用するなら、バターの使用が健康には良く、マーガリン(約10%のトランス型脂肪酸が含まれるそうです)やショートニングをたくさん含む加工食品などを買わないことが健康維持には重要となるようです。しかし、1.で示した油を加熱したり、繰り返し利用で発生するトランス型脂肪酸はごくわずかな量のようで、普通の使用では問題とならないようです。

ところで、トランス型脂肪酸が健康に良くない理由は、腸管を構成する細胞の細胞膜に、このトランス型脂肪酸が取り込まれると、本来のシス型脂肪酸と立体構造が異なるため、細胞膜のところどころに隙間ができます。トランス型脂肪酸が体内に多い場合の腸壁には、大きな分子を吸収することができる穴があいていると考えられ、これがアトピー・アレルギーなど最近の現代病(他には、糖尿病・脳梗塞など生活習慣病・クローン病(腸管壁の細胞が壊れている状態で、体に有害なものがどんどん入ってきて炎症を起こし、潰瘍ができている状態)・自律神経失調症など)を引き起こす要因の1つと考えられます。これは、トランス型脂肪酸を体内で処理しようとしてもできないため、シス型脂肪酸と同様に体内処理されたために生じる障害だそうです。参考までに、普通のシス型脂肪酸により構成される細胞膜は、アミノ酸など小さな分子レベルのものしか吸収しません。平均的な日本人では皮下脂肪中に約4%のトランス型脂肪酸が含まれると考えられているようですが、アトピー・アレルギーがある場合は、もっと多量にトランス型脂肪酸を含んでいるとされています。

この穴の多い腸壁を修繕するためにも、シス型脂肪酸である必須脂肪酸や必須アミノ酸をバランスよくとることが重要だそうです。以上は、腸でのトラブルを記述しましたが、皮膚の細胞に多い場合も同様です。皮膚の細胞の細胞膜の一部がトランス型脂肪酸に置き換わると、腸管内と同様な状態になり、皮膚からの有害物質(アレルゲンなど)を吸収しやすい状態となり、皮膚の状態が悪化します。これがアトピー肌(ドライスキンなど)の1つの原因になるとも考えられます。また、このトランス型脂肪酸を体外に排泄しようと多量のビタミン類やミネラルを消費することもわかっています。

余談ですが、マーガリンが体に良いという情報が残って喜んで愛用している国は、先進国では日本だけで、栄養学の進んだ北欧では発売禁止のようです。アメリカでは、2006年1月からマーガリンやスナック類などショートニングに含まれるトランス型脂肪酸のとりすぎは健康を損なう可能性があるので、メーカーに加工食品のトランス脂肪酸量の表示の義務付けを発表したようです。カナダでも2005年12月より表示対象となり、デンマークでは、2004年1月からすべての食品について、油脂中のトランス脂肪酸の含有率を2%までとする制限があるそうです。本当かどうかはわかりませんが、マーガリンは窓際においてもカビが生えないし、ネズミやゴキブリすら食べないそうです。この理由は、この人工的な自然に存在しないトランス型脂肪酸が原因だと発表されているようです。


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