アレルギー・アトピー

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ゴマアレルギー

最近、ゴマアレルギーのお子さんが増えてきているそうで、小児アレルギー学会などでも重視されてきているようです。年齢によっては、卵についで重要なアレルゲンともなっているようです。特に、1歳未満でゴマアレルギーが判明した場合、離乳早々からゴマ和えを与えられていた場合が多く、ある雑誌の調査では、母親の約7割がゴマを離乳食に与えているという結果が出たようです。

それは、近年の「ゴマは栄養豊富で、健康に良い食品」と報道したマスコミの影響が大きいようです。そのため、離乳期の子どもには栄養が重要と考える親も多く、ゴマを与える機会が増えました。一部の幼稚園や保育園では、食卓にゴマそのもの、もしくはゴマの入ったふりかけを常置しておいて、給食や持参した弁当のご飯に好きなようにかけて食べさせたりするところもあるようです。また、離乳食・マクロビオティック・一部のアレルギー対応料理を紹介したレシピ本でもゴマもしくはゴマ油を用いたレシピが多く見受けられます。さらに、「ゴマは健康に良い食品で、アレルギーを起こすはずがない」という認識の母親が多いのも事実です。そのため、ゴマ油もしくはゴマそのものの摂取量の増加、および離乳期からのゴマ摂取により、ゴマアレルギーとなるお子さんが増えているとともに、今後もますます増えることが予測されているようです。参考までに、ゴマのほとんどは輸入で、日本人が消費量する約99%に相当するようです。

ゴマは卵や乳などと異なり、3歳頃に寛界するから…というものではありません。1度感作を受けると、寛界までの期間が長引く食品の1つとして有名です。他には、ナッツ類やそば類など。また、ナッツ類やそば類と同様、アナフィラキシーを起こしやすい食材の1つとなっています。ゴマアレルギーがある場合、共通抗原をもつ(交差反応性を示す)ことがわかっているキウイフルーツ、ケシ、ライ麦、ヘーゼルナッツなどは要注意の食品となります。

すりゴマとゴマそのものでは、すりゴマの方が抗原性が高いようです。ゴマそのもので発症しない場合でも、ゴマペースト(パンに塗るタイプなど)やすりゴマ(おひたしなどにかける)にすると、蕁麻疹などの症状が出やすくなるそうです。それは、ゴマの外皮が硬いため、すりつぶさなければ、ゴマそのものが便中に排泄されるので、ゴマタンパクが吸収されないか、されるとしても、徐々に吸収されるので、発症が抑えられる可能性が高いようです。

また、発症にもっとも大きな影響を及ぼすのはゴマ油だと思います。ゴマ油の酸化が発症に大きく関与し、これは他の油でも同様だと思います。昔はゴマ油を圧搾する時に、石をゆっくりと回して、油を抽出していたので、圧搾時の熱はほとんど発生せず、熱による酸化はほとんどありませんでした。しかし、最近は、機械により圧搾をします。すると、摩擦熱がどうしても発生してしまうため、店頭に並ぶ頃には酸化がすでにはじまっているようです。その酸化による影響と、ゴマの健康神話による多量摂取が原因により、最近ゴマアレルギーが増えた背景の1つではないかと考えられています。特に、東京・大阪など都市圏に住む人は環境の悪化などにより、ゴマに感作される人の割合が高いようです。これは家族構成にも原因があるかもしれません。親子のみの核家族となり、例えば、ゴマ油を購入しても、1本を使い切るには時間がかかります。そのことで、酸化はかなり進みます。また、酸化予防のため、早く消費をしようとするため、個人単位の摂取量が増えます。しかし、大家族で住む家庭が多い田舎の方では、その使用量が多いため、なるべく鮮度が良く、酸化の進まない状況で消費してしまうメリットがあるのかもしれません。もちろん、これは油の消費量から考えるアレルギー予防という観点では…という意味です。

アトピー性皮膚炎児の場合(一般的に、アトピーと診断される場合)、ゴマアレルギーの関与している可能性が高く、陽性率はきわめて高いようです。ゴマの感作は結構早いそうです。もちろん、体質によるので、必ずしも感作するものでもありませんが… 例えば、月に2回程度の保育園の給食に出るゴマが使われた程度でも感作を受けた例があるそうです。特に、ゴマアレルギーは、上記で書いたように、アレルギーの認識度が低いため、5大アレルゲンを検査してもすべて陰性で原因はつかめない、アレルギーとしても理解されない場合も多く、原因不明とされて悶々としている人は、ゴマのアレルゲン検査をしてもらう、または完全除去をしてみる価値があるのかもしれません。というのは、ゴマの項目が入った血液検査をしたら、他が陰性でゴマのみが陽性となり、食べる量はごくわずかにしかならないゴマを完全除去したら、アトピー性皮膚炎による症状が大幅に改善した例も意外と多いそうですから… 

ちなみに、アトピー性皮膚炎で悩むお子さんを対象にして、血液検査をすると、低月齢(〜生後半年)でゴマが陽性を示す割合が低いそうですが、2歳を越えると、約半数にゴマアレルギーが認められたというデータがあるようです。

参考までに、大雑把ですが、
〜6ヶ月未満:〜0に近い
6ヶ月〜1歳未満:約20%
1歳代:約37%
2歳代以降:約50%強
だそうです。

そのため、世間的には、栄養が豊富で、離乳期からゴマの摂取をすすめられることが多いのかもしれませんが、特に、アトピー性皮膚炎が併発している場合には、消化能力がある程度しっかりとしてくる最低でも2〜3歳頃までは、極力除去をした方が良いのかもしれません。また、アレルギーのない2−3歳代のお子さんでも、ゴマの消化能力は2−3粒のようです。上記でも書きましたが、すりゴマの方が吸収がよいし、酸化も受けやすいので、アレルゲンとなりやすく、市販のゴマペーストや炒りゴマも同様で、製品化されて、私たちの口に入る頃には、すでに酸化がはじまっているそうで、生ゴマを購入し、食べる直前に、自分で炒ることがからだにやさしい食べ方となるそうです。

先ほども書いたように、ゴマのみがアレルゲンとなっている可能性も高く、それに気づかないで与えていると、他をどんなに注意をしても改善しない可能性もあるようです。母乳を通じても感作されやすいそうなので、極力、授乳中は控えた方が良いと思います。できれば、妊娠中、もしくは妊娠を望む頃からが良いのかもしれません。また、2歳頃までの年齢は食品を含め、多くのアレルゲンが検出される時期です。アレルギー体質の可能性がある場合、ゴマ入り加工品(クッキーなど)を食べることで、ゴマ以外のアレルゲンとなりやすい食材が入っている場合、例えば、卵・麦なども一緒にひきづられて、アレルゲンとしてしまう場合があるそうです。これがもっとも怖いことかもしれません。アレルゲンでなかったものがアレルゲンとなったり、スコアが低かったものが一気に上昇したりするという意味ですから…

これらのことにより、ゴマ油の摂取量の増加、ゴマ健康志向による、ゴマそのものの摂取量の増加が原因と考えられるゴマアレルギーは今後もますます増加し、食物アレルギーの主役となる可能性を秘めていることはいうまでもありません。世間的には「健康食品」、アレルギー・アトピーっ子にとっては「天敵食品」といっても過言ではないのかもしれません!

ゴマアレルギー治療法としては、症状がでる場合、もしくはアナフィラキシー体質の場合は完全除去が鉄則で、食べても症状が出ないのであれば、原則として除去は必要ないそうです。しかし、スコアがあがりやすいため、家庭内ではゴマを用いた料理を作らないこと、惣菜・外食利用でも、あえてゴマを使っていると思われるものは利用をしないことが基本だそうです。そのため、たまたま加工品にごく少量入っていたくらいなら、症状が出ない限り、気にしなくても良いそうです。ただし、それも月に2回程度くらいまでなら…と言われました。

このように、ゴマは注意をしないといけない食品にもかかわらず、アナフィラキシー発症のデータがまばらなことから、アレルギー表示奨励義務から外れてしまいました。アレルギー対応食品として販売されている商品の中にも、ゴマが使用されている例は少なくありません。そうめんなど乾麺の原材料に油脂類が使われています。その油脂類がごま油であることがあります。原材料表示には、ゴマ油と書かれていることもありますが、植物性油脂類としか書かれていないこともあるため、ゴマアレルギーの方はご注意下さい。また、乳幼児(特に離乳期)へのそうめん利用は注意をした方が良いと思います。これはゴマ油という観点もありますが、油脂類利用という点からです。


<参考文献>
中村 晋ら、最新食物アレルギー、p279−283、2003
 (この本の感想はこちら!)


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