アレルギー・アトピー

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ラテックスアレルギー

天然ゴムは、ゴム(ラテックス)の木の幹から採取した樹液を加工して作ったものです。最近、このラテックスアレルギー、またはこれに関連した果物によるアレルギー(ラテックスアレルギー・フルーツ症候群)が急増しているそうです(参考)。ラテックスアレルギーは、天然ゴム製品に含まれるラテックスタンパクに感作されておきる即時型症状を示すアレルギー疾患です。天然ゴム製品に含まれる化学物質(加硫促進剤・硬化剤など)により感作された場合は、接触性皮膚炎が多いようです。

このアレルギーの原因となるラテックスタンパクは、植物が自ずから保護するためにもっている生体防御タンパクだそうです。現在14種類ほど単離・同定されています。ゴムの生産量を高めるために、ゴムの木を傷つけ、ストレスを高めて得られた樹液に入っている、これらの生体防御タンパクが、他の多くの植物に種を越えて含まれていることは不思議なことではありません。多くの植物も自分を保護する必要性があるのですから… そのため、ラテックスアレルギーに感作されると、多くの植物に対してもアレルギーを起こしてしまう可能性が高くなります。

ラテックスアレルギーの発症は、日本より欧米での発症率が高いようですが、最も多いのは、ゴム手袋を使う医療従事者のようです(特に、歯科医)。このアレルギーは医療従事者に限らず、下記に示すように、多くのケースで発症しています。

◇医療従事者
 ゴム手袋および手袋用パウダー、ラテックスカテーテル(導尿チューブ・点滴チューブなど)、採血時の駆血チューブ、絆創膏、手動の血圧計、呼吸器バッグ、歯科用デンタルダム、バリウム浣腸用のカフなど 

◇患者(尿道破裂・二分脊椎症・頻回に手術を受けている・継続的なケアの実施中など)
 ラテックスカテーテルや施術者のゴム手袋などと長期に接触するため

◇ゴム製造業に従事する方
 
◇乳幼児
 ゴム風船、ゴム製のおもちゃ、ゴムボール、ゴム人形、おしゃぶり、消しゴム、運動靴、チューイングガム、ゴムの付いた衣類など

◇大人
 炊事用手袋、避妊具、ゴムの付いた衣類、輪ゴムなどのゴム製品を含む一般的日用品・育児用品、観賞用のゴムの木、チューイングガム、運動靴など

◇特定の食物アレルギーを有する場合
 バナナ、アボガド、キウイ、栗、イチジク、パパイヤ、メロン、モモ、ピーナッツ、クルミ、カラシ、コショウ、ジャガイモ、トマト、パイナップル、ソバ、タケノコなど

ラテックスアレルギーによる症状は接触性皮膚炎や接触部位の痒みが最も多いのですが、鼻症状、結膜の浮腫、アナフィラキシーも珍しいことではないそうです。そのため、欧米では、医療従事者が喘息・アナフィラキシーショックの症状を起こすため、職業を変更せざるをえなくなり、訴訟問題となっている例があるようです。

また、果物などはラテックスと交叉抗原性をもつことがすでに知られ、ラテックスに感作された人が上記のような果物を食べると、蕁麻疹・アナフィラキシーのような強い症状を誘発することがあり、これをラテックスアレルギー・フルーツ症候群と呼びます。この場合、ラテックスアレルギーが先に発症して、果物などの特定の食物アレルギーを合併する場合が多いのですが、中には、果物などの食物アレルギーからラテックスアレルギーを誘発することもあるようです。

いずれにしても、症状が強い場合が多いので、ラテックスアレルギーの方は体調不良時や疲れ気味などのときは、これらの食品をとらない方が安心だと思いますし、逆に、これらの食品に対するアレルギーの方も体調不良時や疲れ気味のときは、ゴム製品にあまり接触しない方が良いと思います。

果物では、特にバナナ・アボガド・キウイ・栗がラテックスとの交叉抗原性が高いようで、いずれもアナフィラキシーのような強い症状として出ることが多い食品です。しっかりと加熱をすれば、抗原性が低下するものもあるのですが、中には耐熱性のものがあり、果実によって異なるので、注意が必要だそうです。例えば、アボガドは加熱で抗原性が消失するようですが、モモは耐熱性だそうです。


<妊娠・出産・育児中の注意点>
ラッテクスアレルギーの可能性がある場合、もしくはゴム手袋をして家事をしているのに主婦湿疹がひどい場合などは、ラテックスのアレルギー検査(血液検査:RAST)を1度受けてみると良いと思います。その際、最低でも、上記のバナナ・アボガド・キウイを同時に検査しておくと、フルーツとの関連性を検討できるのではと思います。そして、万が一、軽度でもラテックスアレルギーが判明した場合、普段の生活に支障がない状態でも、できる限りゴム製品を排除します。

参考までに、ラテックスアレルギーは生で触れる、もしくは強く感作していない限り、反応しにくいそうです。生で触れる手袋、避妊具、素足の運動靴、風船、消しゴム(カスもとぶ)などが特に怖く、髪の毛のゴム留めや衣類のゴムは布で覆われることが多いため、補修などで触ったりしなければ、反応性が低いようです。ただし、汗や水などに濡れて、成分が表面に溶け出してくると、反応をするようになるそうです。

<対策>
◇医療機関受診の際は、ラテックスアレルギーであることを必ず伝えること
◇アレルギーが判明した場合、妊婦検診・分娩の際は、絶対にゴム製品の使用を避けてもらうこと。分娩中のアナフィラキシーの例があります。
◇アレルギーが判明した場合、家事の手袋・衣類などゴム製品を避け、他の原材料からできた製品にすること。日常的に注意が必要なのは、運動靴、避妊具、消しゴム、輪ゴムだそうです。運動靴の場合、靴底がゴムのようなので、直接ゴムが触れないように中敷はついていますが、さらに1枚余分に敷いたり、素足で運動靴をはかないということが必要だそうです。足の裏の皮が剥れる場合もあるようです。避妊具もゴム製品がほとんどですから、違和感、ただれなどの症状から、ひどい場合は、ショックなどの症状が出る可能性もあるようです。輪ゴムは、布で覆われている髪の毛用のゴムで代用したり、絆創膏はラテックスアレルギー用もしくは包帯(ウエストラップ)などで代用するなど、生活の工夫が必要になります。
◇アレルギー・アトピーっ子育児中の方は、子どもになるべくゴム製品をしゃぶらせないことが感作予防となります。ゴム製品から溶け出すことが感作の原因となるようです。赤ちゃん用の乳首はほとんど溶け出さないように製造されているようですが、おしゃぶりは若干溶け出すようです。そのため、ゴム(ラテックス)ではない製品の使用をおすすめします。また、アレルギーっ子が輪ゴムや風船などゴム製品をなめることも多いので、できるだけ避けた方が良いと思います。また、おむつをこまめに変えることも重要だそうです。
◇ゴムの木の鑑賞用植物を室内に置かないこと。この葉を触って遊んで、アレルギーを起こした例があるそうです。
◇バナナ、アボガド、キウイなど、特に南国系の果物の摂取を控えること。これらは通常でも抗原性が高く、アナフィラキシーを起こしやすい食品なので、今まで大丈夫であっても、体調が悪い時に摂取すると、アナフィラキシーを起こす可能性があります。
◇チューイングガムをおやつに与えないこと
◇汗をかいたり、水で濡れた衣類などはすぐに着替えること


<参考文献>
◇中村 晋ら、最新食物アレルギー、p279−283、2003
  (この本の感想はこちら!)
◇角田先生の「アレルギーっ子の生活」HP、ゴムのアレルギー(ラテックスアレルギー)


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