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非ステロイド外用薬(消炎鎮痛外用薬&免疫抑制剤)

<はじめに>
1.商品名に関して
最初に販売された先発品(商品名の前に☆)および後発品について掲載(添付文書で確認できたもののみ)しております。同一成分・同一薬効でも、製薬業者が異なるため、商品名が異なっておりますので、実用書などを読んでも、医師処方の薬品名が該当しない場合はこちらを参考にして下さい。
2.剤形(商品名のあとの括弧の中)
簡略化のため、記号で示しました。軟膏(O=Ointment)、クリーム(C=Cream)、ローション(L=Lotion、ソリューションも含む)、貼付剤(T=Tape)

(2006年1月下旬現在)

<非ステロイド外用薬>
非ステロイド外用薬とは、ステロイド外用薬以外で抗炎症作用をもつ薬物群のことです。抗炎症作用は弱く、ステロイド外用薬の約100分の1、もしくはそれ以下の効果しか期待できません。特に、アトピー性皮膚炎に関していえば、抗炎症作用が弱いので軽症の場合に用いることが多いようです。大きな副作用はほとんどありませんが、主成分に感作されることでかぶれる場合も多いので、ご注意下さい。現在使用されているものを大きく分けると、消炎鎮痛外用薬、免疫抑制剤の2種類です。

◇消炎鎮痛外用薬
a)効果
炎症に関係する多くの化学物質の合成や作用を抑制することにより、炎症を抑えます。ステロイド外用薬が全般的な炎症のメカニズムを抑えるのに比べ、部分的に抑制するため、炎症が完全に抑えられないことがあり、ステロイド外用薬に比べると、一般的に湿疹を改善する効力は弱くなります。

b)剤形
剤形の特徴や塗り方に関しては、ステロイド外用薬の同項目を参照して下さい。

c)使用方法
単独もしくはステロイド外用薬との併用で用いられます。ただし、アトピー性皮膚炎などのように、皮膚炎を起す原因が判明しているときは(食物アレルギー・環境アレルギーなど)、それらの治療(原因療法など)と同時に行う必要があります。

d)副作用
ステロイド外用薬に見られるような多くの副作用はほとんど認められませんが、たまに刺激感を強く感じたり、接触性皮膚炎やかぶれ、つっぱり感などを起こす場合があります。その場合は使用を中止して下さい。

e)実際に処方される消炎鎮痛外用薬
一般名 ブフェキサマク
商品名 ☆アンダーム(O・C)、アンホリル(O・C)、エンチマック(O・C)、サリベドール(O・C)、デルキサム(O・C)、ルブラゾン(O・C)
効果・効能 急性湿疹、アトピー性皮膚炎、接触性皮膚炎、おむつかぶれ、日光皮膚炎、酒さ様皮膚炎・口囲皮膚炎、帯状疱疹
特記 軽度の皮膚炎から、ステロイド外用薬を使用しづらい顔の湿疹にも適応可能
注意事項 主成分による感作も少なくないようです。改善が著しく遅い場合、または悪化する場合は、すぐに使用を中止して、医師に相談して下さい。
一般名 ウフェナマート
商品名 ☆フエナゾール(O・C)、コンベック(O・C)
効果・効能 急性湿疹、慢性湿疹、脂漏性湿疹、貨幣状湿疹、アトピー性皮膚炎、接触性皮膚炎、おむつかぶれ、酒さ様皮膚炎・口囲皮膚炎、帯状疱疹
特記 ◇軟膏では、基剤(プラスチベース)中の流動パラフィンが保管中に分離をすることがありますが、効力には影響を及ぼしません
◇炎症部位に直接作用し、膜の安定化や活性酸素の生成抑制作用など、生体膜との相互作用により効果を発すると考えられています
一般名 ベンダザック
商品名 ☆ジルダザック(O・C)、イワザック(O)、ジベンザック(O・C)
効果・効能 急性湿疹、慢性湿疹、乳幼児湿疹、接触性湿疹、アトピー性皮膚炎、尋常性乾癬、帯状疱疹など
特記 ◇抗浮腫・抗壊死作用、皮膚潰瘍面の分泌物を減少させ、表皮形成を促進し、組織を修復
一般名 イブプロフェンピコノール
商品名 ☆スタデルム(O・C)、☆ベシカム(O・C)、イプロニン(O・C)
効果・効能 急性湿疹、慢性湿疹、接触性湿疹、アトピー性皮膚炎、酒さ様皮膚炎・口囲皮膚炎
一般名 スプロフェン
商品名 ☆スルプロチン(O・C)、スレンダム(O・C)、トバルジック(O・C)
効果・効能 急性湿疹、慢性湿疹、接触性湿疹、アトピー性皮膚炎、皮脂欠乏性湿疹、酒さ様皮膚炎・口囲皮膚炎
特記 ◇小児(低出生体重児・新生児・乳児を含む)に対する長期連用の安全性は確立されていない(使用経験が少ないため)
◇プロスタグランジンの生合成阻害作用が認められており、これに基づいて種々の抗炎症作用を発すると考えられる
注意事項 スルプロチン(C)、スレンダム(C)、トバルジック(C)は、大豆レシチンを含みます。大豆アレルギーのある方は注意して下さい
一般名 ジメチルイソプロピルアズレン
商品名 ☆アズノール(O)、ハスレン(O)
効果・効能 湿疹、熱傷・その他の疾患によるびらん及び潰瘍
特記 皮膚組織の細胞に直接関与してヒスタミンを遊離抑制、抗アレルギー作用、創傷治癒促進作用


<免疫抑制薬> 
臓器移植の際に用いていたタクロリムスという免疫抑制剤(内服もしくは注射)を0.1%に薄めて外用薬にしたものです。2003年12月に発売された小児用は0.03%です。ステロイド外用薬などの既存療法では効果が不充分または副作用により、これらの投与ができないなど、本剤の治療がより適切と考えられる場合のみに使用されます。まだ、大人でも1999年11月と日本で承認されてからの期間が浅いため、賛否両論があり、副作用に関しても、外国のデータが主であり、日本での使用例が少ないため、これから増えてくる可能性も否定できないので、医師と充分に相談し、納得の上で利用することが望ましいと思います。

a)特徴
ステロイド外用薬を長期に使用した際に生じる副作用(赤ら顔・皮膚萎縮・毛細血管拡張など)が起こらないそうです。また、使用を中止しても、ステロイド外用薬と比較すると、リバウンドも起こりにくいようです。

b)副作用
◇全身的副作用:移植での服薬・注射で問題となるのが腎機能障害であるため、広範囲に多量を塗りすぎると腎機能への影響が懸念されます。そのため、規定量と医師の指示を必ず守ること。規定を守る限りは、全身的な副作用はほとんどないようです。
◇局所的副作用:皮膚の刺激感(熱感・ほてりなど)やたまに痛みを感じる場合が多く認められ、特に入浴時に増強するようです。使用開始後から数日間で落ち着くようです。
◇小児用に関しては、新発売されたばかりです。副作用に関しては、使用例が少ないため、未知な部分も多大です。海外では、発癌性の報告もされており、承認後もこの件に関しての議論は各方面で行われているようです。そのため、使用に関しての是非は今後意見が分かれると思いますので、アトピー性皮膚炎とこの薬に熟知した医師との充分な話し合いの上、治療方針を決定する必要があると思います。皮膚科学会では「正しく使用すれば、問題なし」との見解を示したようです(参考)。

c)使用方法
1日1−2回塗布するが、1回5gまでとします。2回塗布する場合は、1回目から必ず12時間あけることが望ましいそうです。ステロイド外用薬と同様に、症状の改善が認められたら、保湿剤に変更し、また再発をしたら、塗布すると良いそうです。傷やじゅくじゅくがあるときは、吸収率が良くなること(全身的副作用が生じやすくなるため)や痛みを生じる場合が多いので、まずステロイド外用薬で治療後、塗布するようにします。なお、小児用に関しては、1回あたりの最大塗布量については、以下の表を目安にします。

年齢(体重区分) 1回の塗布量の上限
2〜5歳
(20kg未満)
1g
6〜12歳
(20kg以上50kg未満)
2〜4g
13歳
(50kg以上)
5g

この薬は衣類から外に露出する部位(特に顔面や頸部)を中心に使用するそうです。手・足・体への使用に関しては、顔や首ほど劇的なメリットはないようです。早ければ使用後1−2か月で、ステロイド外用薬による副作用の赤みがとれる場合が多く、生活の質が向上し、精神面でも前向きになり、自然治癒力が上昇するようですが、治療の基本はあくまで原因療法ですから、食生活をはじめとする生活改善を怠らないことをおすすめします。

d)実際に処方される免疫抑制剤
一般名 タクロリムス
商品名 ☆プロトピック(O)、プロトピック小児用(O)
効果・効能 アトピー性皮膚炎
特記 ◇日本では1999年に厚生省に認可され発売開始された新しい薬(日本で開発された薬品ですが、海外で先行販売:1993年)。発売後の期間が短いため、慎重に利用することが理想
◇日本で小児への製造認可が2003年7月におり、同年12月12日より発売されました。2歳以上での使用が可能ですが、アトピー性皮膚炎に熟知した医師の指導のもとで、この薬を使用することが理想
◇皮膚の保護作用(バリア機能改善)効果があります。使用により、角質の水分保持量が増加し、皮膚機能の改善が向上
◇炎症性細胞の増加を抑制します。また、W型アレルギー(遅延型)を強く抑制し、T型アレルギー(即時型)にはほとんど効果が認められないそうです
注意事項 ◇塗布後、長時間日光に当たらないこと。皮膚腫瘍発生の危険性があるため、日焼けランプや紫外線ランプの使用を避けることをおすすめします
◇定期的に腎機能検査をすることが理想


<参考文献>
医薬品医療機器情報提供ホームページ:添付文書情報、独立行政法人医薬品医療機器総合機構
◇中川武正、詳しくわかるアレルギーの薬、p124−130&148−149、法研、2003年
 (この著書の感想はおすすめの本内にあります)
アトピー性皮膚炎治療ガイドライン2005


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