アレルギー・アトピー

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乳児湿疹・脂漏性湿疹と、アレルギー・アトピーとの関連性

乳児湿疹・脂漏性湿疹がある場合、もしくはその症状がひどい場合、アレルギー・アトピーがあるのではないのかと不安になることがあります。実際のところ、乳児湿疹・脂漏性湿疹があるから、必ずしもアレルギー・アトピーになるものではありません。最初、脂漏性湿疹はアレルギー・アトピーとは異なるものと考えられている説が有力でしたが、最近では油脂類および大豆(主に大豆に含まれる大豆油)・豆類との因果関係がわかっているようです。妊娠中・授乳中の油脂類の過剰摂取が、頭皮などの皮脂に影響を与えているようです。特に、週に7回以上油脂類を摂取されている場合は要注意です。これは調理のみならず、スナック菓子類なども含みます。この場合、油脂類を除去することで、早ければ1−2か月で治ることが多いようです。そのため、脂漏性湿疹も油脂類過剰摂取である場合もしくは油脂類に過敏な場合と、大豆アレルギーが主な原因のようです。ただし、この場合の脂漏性湿疹は黄色い場合です。白い場合は乾燥が原因のことが多いようなので、保湿などスキンケアを心がけて下さい。

乳児湿疹の場合、注意をしなければならないのが、単なる乳児湿疹の場合と乳児湿疹とアトピー性皮膚炎(もしくはアレルギーによる皮膚症状)が併発をしている場合があるということで、それらを区別することは難しいということです。そのため、どちらか判断しがたい場合、医師は単なる乳児湿疹でも、アトピーの疑いがあると診断していることはよくあるそうです。先に乳児湿疹と診断名をつけて、あとでアレルギー・アトピーと診断がついた場合、最初の処置に対し、苦情が出ても困るので。もちろん、その逆もあり、アレルギー・アトピーに過敏な母親も多いことから、乳児湿疹と診断する場合も多く、最近の調査結果では、1歳頃に、皮膚科学会の指針にある、「痒みが2ヶ月以上続く場合にアトピー性皮膚炎とみなす」という条件に該当しても、実際にアレルギー・アトピーと診断されたのは約3割しかいないことがわかり、早期からの対策の遅れが出ていることも懸念しないといけないそうです。さらに、最初は単なる乳児湿疹のみだったにも関わらず、アレルギー・アトピーに変化する場合がありますので、低月齢からの離乳食の与え方、スキンケア、環境整備に配慮することが重要であることは言うまでもありません。


1.アレルギー症状、もしくはアトピー性皮膚炎の可能性が考えられる場合
アレルギー・アトピーの可能性が高いと考えられる場合ですが、耳のうしろや頚周り、口周り、顔などが赤くなる、またはじゅくじゅくした感じになる、手の関節の内側と足の関節の裏側の肌がざらざらになる、夜中になると掻いて血を出すことが多い(痒みを生じていることが明らかな場合)、肛門周囲のしわ部分が赤い、母親が特定の食べ物を口にしたときに、湿疹・下痢・嘔吐・寝ぐずりなどの症状が出ることです。この場合は早めになるべくアレルギー(ベストは食物アレルギー)を専門としている小児科・皮膚科、もしくはアレルギー科に行き、血液検査・皮膚検査をされた方が良いと思います。赤ちゃんが痛そうでかわいそうと嫌がるお母さんも多いのですが、母乳育児をされているのであれば、初期の頃から赤ちゃんにアレルゲンが移行するし、離乳食が始まれば、アレルゲンの直接摂取がはじまります。生後4ヶ月頃から血液検査は可能ですので、なるべく早い時期に判明して、早めの食事療法・薬物療法・環境整備などをすることによって、アレルギー・アトピーを少しでも早く克服するきっかけを作ってあげたいものです。早めの食品除去により、早ければ1歳過ぎから、遅くても幼稚園から小学校に上がる頃には、原因となる食べ物をほんの少しずつでも口にしていくことができる可能性が高いのです。もちろん、症状の程度に個人差があるので、一概には言えませんが…

<食物アレルギーの症状>
食物アレルギーの症状は皮膚症状と思われがちです。しかし、全身のあらゆる臓器にあらゆる症状の出ることが特徴です。参考までに、皮膚症状(痒み・湿疹・赤み・蕁麻疹など)をはじめとして、呼吸器症状(喘息・鼻炎・咳・鼻水など)、消化器症状(下痢・嘔吐・便秘・腹痛など)などで、ひどい場合は呼吸器困難、心停止などアナフィラキシーショックを起こし、命の危険性を伴います。アレルギーを認めたくない方も多いのですが、命の危険性が伴うことがある疾患であることを認識して下さい。こちらに、詳しくまとめています。

2.アレルギー・アトピー性皮膚炎ではなく、食生活が関与する場合(授乳中の母親の食生活)
乳質の低下している母乳を飲ませていると、赤ちゃんの肌に湿疹のできる場合が多く認められます。この質の低下の主な原因は、母親の食事内容です。妊娠中の食事制限の反動もしくは授乳中による空腹感を満たすために、好き放題の食生活をしている場合は、特に注意が必要です。湿疹ができやすい食事やおやつ類は、脂肪分・糖分が多く含まれているカロリーの高い食事、例えば、天ぷら・とんかつなどの和食、中華料理、フランス料理などの洋食、ケーキ・チョコレートなどの洋菓子や牛乳・乳製品の取りすぎが考えられます。特に、チョコレート、牛乳・乳製品による湿疹の悪化例がもっとも多いようです。

この場合、これらの食品をできるだけ控え、あっさりとした和食中心の生活にかえると、赤ちゃんの肌がすべすべになったという話をよく聞きます。特に、牛乳・乳製品は栄養分が豊富で、母乳の出具合が良くなるからと、多量に毎日摂取する人がいますが、これはNGです。それらに含まれる乳糖の分解能力には限界があります。個人差が大きいのですが、一般的な大人の日本人の最大分解能力が、400ml(g)以内/日とされています。特に、牛乳を飲んでお腹がごろごろする人は、分解能力はさらに低いものです。そのため、限界能力を超えると、消化しきれないものが乳汁中に移行し、赤ちゃんの皮膚に悪影響をしていることがほとんどです。また、これらには意外と脂肪分が多く含まれ、乳質を低下させています。

そのため、赤ちゃんの湿疹の改善が遅くて悩むお母さんは、アトピー・アレルギーの心配をする前に、自分の食事に注意をして、赤ちゃんの肌の状態を充分に観察して下さい。体に悪いものの日々の移行と体内蓄積を考慮すると、食事に配慮しはじめても、すぐに症状が改善するというものではありません。早くて数週間、長ければ、最低でも3−4ヶ月は症状の改善に要することを忘れないで下さい。また、これらの除去により、症状が改善したからと、再び同様の生活をすると、すぐに症状がでます。そのため、症状改善後も、例えば、牛乳・乳製品なら、1日に約200ml(g)までを、週に2−3回程度を目安に摂取し、必要なカルシウムなどは、海藻類・小魚類・緑黄色野菜などで補給をすると良いと思います。

単なる乳児湿疹だから食生活に関係ないと、スキンケアのみでは良くないと思います。赤ちゃんの肌の改善を遅くするばかりではなく、食生活の悪さと肌の改善の遅さがアトピー・アレルギーに結びつくことがあります。参考までに、最近は時代の流れによる食生活・生活環境の大きな変化により、親の遺伝に関係することなく、アレルギー・アトピーの疾患を有する子供が増えており、発症の有無に関係なく、3−4人に1人が何らかのアレルギー素因をもっているとされています。

次に、赤ちゃんがアレルギー・アトピー体質である場合は、アレルゲンとなる食品を食べることで湿疹が出ることは多いです。この場合、日頃の食事記録をとり、原因となる食品を探し、その食品を除去すること、また、生後4ヶ月からアレルゲン検査が可能ですから、アレルギー検査をして、アレルゲンを確定することが重要なポイントとなります。ただし、医療機関によっては、生後半年から、もしくは1歳からしか検査ができないというところもあるかもしれません。しかし、乳幼児期の食物アレルギーは早い時期の発見と対策が、早期改善のポイントですから、医療機関をかえてみるとよいのかもしれません。月齢が高くなるほど、原因治療が難しくなってきます。

3.単なる乳児湿疹が、アレルギーを伴うアトピー性皮膚炎に変化する可能性 
単なる乳児湿疹で終えるはずの症状でも、赤ちゃんが眠いときや寝ているときに、無意識に肌を掻いてしまうことがあります。そのことが原因で、皮膚が傷つき、薬等で一時治るけど、同じ繰り返しをする場合は要注意です。その傷口に、食事の食べ残し(食事途中の汚れ)や埃、ダニ、カビ、ハウスダストなどが接触する機会が増えると、傷ついた皮膚からそれらの食品・環境アレルゲンが体内に入り込み、悪い抗体(IgE)を作ってしまう可能性が高く、今までなかったアレルギー症状がある日突然発症するという症例も認められています。この場合、遺伝は関係ありません。そのため、傷口をなるべく作らないように、寝るときは手にミトンをつける、傷口が汚れたら、すぐにふき取って清潔感を保つなどのスキンケアをしてあげると良いと思います。

4.アレルギー・アトピーの関係
アトピー体質とは、家系的にアトピー性疾患をもち、IgE抗体を作りやすい体質のことをいいます。アレルギー症状のうち、遺伝的要素が高く、遅延型の側面が強いものをアトピーと呼びます。アトピーにはアトピー性皮膚炎、喘息、結膜炎などが含まれます。また、アトピーがあると、皮膚に痒みをもつことが多く、それを掻きむしり、皮膚表面が傷つくため、皮膚の正常バリア(異物の侵入を防ぐ)が壊れ、外部からのアレルゲン(細菌、ウイルス、埃やダニ、食物など)が侵入しやすくなり、アレルギーの症状を伴ってしまうことが多くなります。そのため、アレルギー=アトピーではありません。アトピーの一部にアレルギーが関与していると考える方が無難です。これと同様に、喘息のすべてがアトピーが原因ではなく、喘息の一部がアトピーによるもの、また、乳児湿疹のすべてがアトピーではなく、乳児湿疹の一部がアトピーによるものと考えられます。そのため、乳児湿疹の場合は、簡単に治って再発をしない場合は、単なる乳児湿疹ということになります。


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