アレルギー・アトピー

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食物アレルギー

1.食物アレルギー
a)食物アレルギーとその症状
アレルギーとは免疫反応が病原性の外敵のみならず、自分自身に向けられてしまった場合をいいます。このうち、食物アレルギーは食物を原因とするため、花粉やダニなどの環境因子とは異なり、ほとんどのものが人間の生存にとって必要であり、口から直接経口摂取することにより起こる場合がほとんどです。そのため、アレルゲンが大量に経口的に体内に入り、これらのアレルゲンが腸管にある免疫系と直に接触することが他のアレルギーと異なります。

食物アレルギーとは、アレルゲン(アレルギーの原因物質)となる食品を口にすることで、体に起きる多様な症状のことで、全身ほとんどの臓器に認められます。皮膚症状(湿疹・痒み・あせも・蕁麻疹・アトピー性皮膚炎・眼瞼周囲の腫脹・肛門およびその周囲部の赤み・おむつかぶれなど)、消化器系症状(口唇の浮腫・食欲不振・消化不良・腹痛・下痢・嘔吐など)、呼吸器系症状(くしゃみ・咳・喘鳴・喘息・鼻炎・鼻汁・気管支炎など)、ひどい場合は痙攣や呼吸困難などを伴うアナフィラキシーショック、最悪は死を伴うアレルギーのことです(表にまとめたもの)。ここが花粉症などのアレルギーとは異なる点で、花粉症で生活に支障をきたすことは多くても、死ぬことはないアレルギー疾患ですが、食物アレルギーはまれなことであっても呼吸困難(ショック)や死を伴う疾患なのです(参考)。「どうして、そんな驚かすようなことを…」と言われるかも知れませんが、そういう経験のある人は少なくないということを知って欲しいのです(参考)。食物アレルギーの症状に関しては、主な症状と主なアレルゲンによる症状乳幼児における食事が関連する症状を参考にして下さい。

食物アレルギーは、乳幼児期(0〜2歳頃)に主に発症します。これは消化器官の未熟なところに、離乳初期のうちから、高栄養価の食品を与えられることなどでおこると考えられてもいます。もちろん、治らないわけではなく、年齢が経つにつれ、消化機能も免疫機能もアップしてきますので、ほとんどの子供はいつか食べられるようになります。これを自然寛解といい、詳細はこちらです。しかし、乳幼児期のうちに、しっかりとした対処法をとっておかないと、今度は2−3歳頃から増えはじめる環境アレルゲン(ダニ・ハウスダストなど)の影響により、症状が悪化したり、皮膚症状が落ち着いても、小児喘息など別の器官へのアレルギー症状の移行する可能性が高くなります。これをアレルギーマーチといいます。

これらの疾患は、食生活や環境の大きな変化などがもたらした現代病の1つであり、離乳食の開始が早いことやタンパク源の初期開始(ベビーフードの使用も含む)なども原因の一つとして、クローズアップされています。主なアレルゲンとなる食品だけ注意をすればいいという単純な考え方ではなく、どうすれば予防できるのか、たとえ、症状が出たとしても、どのように対応すれば良いのかを考え、子供自身が「食生活の改善と家族の健康」を自分の身をもって教えてくれていると前向きにとらえながら、今後の生活を送っていきたいものです。

<参考>
◇アレルギーマーチ:アレルゲンと発症臓器(疾患)、発症時期をかえながら、次々と発症することをアレルギーマーチといいます。出生後まもない頃は、皮膚症状(アトピー性皮膚炎・乳児湿疹など)が主で、乳児期になると、呼吸器系症状(気管支喘息・アレルギー性鼻炎など)へとかわることがあります。いくつかの疾患が交代であらわれることもあるし、併発をすることもあります。原因は自分で口にしたミルクや母乳、または離乳食などから絶えず感作を受けるし、さらに埃やダニなど環境アレルゲンに対する吸入感作も受けるからです。

◇現代の乳幼児・小児の3−4人に1人が何らかのアレルギー素因をもっている(親の遺伝や発症の有無に関係なく)と言われていますが、そのうち、10人に1人は食物アレルギーであるという報告があります。最近は、乳幼児・小児期以外に、学童期、思春期以降にも食物アレルギーがアトピー性皮膚炎に関与していることが多く、この場合、小麦や米など穀物類のRAST陽性率が高いようです。しかし、年齢が上がるほど、食物以外の因子(環境、精神的なことなど)が複雑に絡んでくるし、乳幼児期と比べると、食物アレルゲンの数も増えていることが多く、食事療法の実施自体が困難になります。この場合、ステロイド外用薬で治りづらくなることも多く、除去と代替食使用以外に、総合的な治療が必要となるため、なるべく早い時期(乳幼児期)からの原因治療が望ましいと考えられます。

b)食物アレルギーがおこるメカニズム
食物アレルギーはT型アレルギー反応で発症する場合が多いと思います。この場合は食べてから短時間で症状が出るので、アレルゲンの判断をしやすいのですが、食物または患者によっては、食べてもすぐに症状が出ずに、半日後から数日後に出る場合(W型アレルギー反応)があり、この場合は、アレルゲンが確定しづらいのがほとんどです。どちらかのメカニズムのみで発症すると考えがちですが、T型とW型の両方を有する場合がほとんどです。しかし、実際にはこのW型アレルギーの方が判別がつきづらい分、T型アレルギーよりかなり多く占めているのではないかと考えられています。

<参考>
◇T型アレルギー(即時型・遅発型)
IgE抗体が関与する免疫系による反応をいいます。つまり、アレルゲンが体内に入ることによって、多量のIgE抗体が作り出されます。再度、そのアレルゲンが体内に入ると、肥満細胞に結合したIgE抗体にアレルゲンが結合し、この肥満細胞からヒスタミンなどの化学伝達物質(炎症や痒みを起す物質)が放出されることで、アレルギー症状が起きます。このメカニズムに属する疾患や症状には、花粉症や食物アレルギー、蕁麻疹、アトピー性皮膚炎、気管支喘息などがあります。食物アレルギーの場合、アレルゲンとなる食物を口にしてから、早ければ数分で発症し、ほとんどの場合は15分〜12時間くらいで発症します。口唇や眼瞼の浮腫、口の渇き、全身の発赤、かゆみ、下痢、嘔吐、しびれ、喘鳴、喘息などが生じ、ひどい場合は呼吸困難、血液循環不全、不静脈、心停止となることもあり(アナフィラキシーショック)、最悪は致命症です。特に、バナナ、キウイ、メロンなどの果物、ゴマ、カニ・エビなど甲殻類、そばなどが症状が強い場合が多いです。

◇W型アレルギー(遅延型)
IgE抗体が関与せず、アレルゲンがTリンパ球(抗原を認識する細胞のこと)に直接作用し、リンフォカイン(炎症を起こす物質)が出て炎症がおこります。このメカニズムには、食物アレルギーの1部である、じんましん、かゆみ、喘息などの疾患や症状が属します。アレルゲンを体内に取り込んでから、半日から24時間、場合によっては数日後(〜72時間位)までの間に発症します。特に、米や小麦など穀類が、このメカニズムにより発症する場合が多いです。

c)食物アレルギーの原因となる素材
@アレルゲンを含む主な素材
卵・卵製品、牛乳・乳製品、大豆・大豆製品、肉類(牛・鶏・豚)など、高タンパク・高栄養価の食品に対して、アレルギーが起こりやすい傾向があります。もっとも大きな原因となる食品は、鶏卵・卵白、それらを含む加工食品で、鶏肉および鶏肉を用いた加工食品まで含めると、食物アレルギーの約50%以上を占めます。次に多いのが牛乳・乳製品、牛肉・牛肉を用いた加工食品です。食物アレルギーの大部分を占める、卵と牛乳に関しては、それに含まれる成分のうち、原因となるものが特定されています。
◇卵:オバルブミン、オボムコイド、リゾチームなど
◇牛乳:カゼイン(数種類あるうち、主にαS1−カゼイン(牛乳たんぱく質の約36%))、乳清たんぱく質(主に、β−ラクトグロブリン、他には血清アルブミン、α−グロブリンなど)など

A仮性アレルゲンとなる素材
一般的に、あくが強いとされる野菜や鮮度の落ちた肉類や魚類などが該当します。詳細は仮性アレルゲンの項を参考にしていただければよいのですが、食品自体にヒスタミン(免疫系に関与する物質)やアセチルコリン(神経伝達物質)が含まれています。例えば、ナス、トマト、タケノコ、ほうれん草などです。このような野菜などを食べることによって、、アレルギーが起きているように見えるので、これを仮性アレルゲンと称します。

Bアレルギーを起こしやすい素材
まずは、ヒトからみて、異種性の高い素材です。これを異種タンパクと言いますが、系統発生的にヒトより遠いものがアレルギーの原因となりやすいです。例えば、上記1.で示したような素材が該当します。次に、消化されにくいもので、加熱などの調理に対して抵抗するものです。一般的に、加熱をすることで、タンパク構造が変性し、消化されやすい形になるため、アレルギーを起こしにくいのです。加熱に強いアレルゲンとしては、主に卵白に含まれるオボムコイドが有名です。最後に、タンパクは多くのアミノ酸の結合によりできていますが、これらのアミノ酸がある規則性をもって連続してできた部分(類似構造や同一構造)を何度も繰り返してもっていたりするタンパクを含む素材はアレルギーを起こしやすいといわれています。

d)食物アレルギーの主な原因
食物アレルギーでは、アレルゲンが腸管を通過し、血管やリンパ管に移行し、アレルギー反応を引きおこすことです。普通はアレルゲンとなるタンパクが腸管に達すると、消化酵素によりアミノ酸にまで分解されてから吸収をされます。通常、アミノ酸レベルでは異物として認識されないので、アレルギー症状を誘発しません。しかし、消化吸収能力が未熟だったり、風邪などで体調を崩したときに消化能力が衰えると、分解が未分解もしくは不十分のまま(アミノ酸が3−4個前後以上結合したペプチドくらいから)腸管にたどりつき吸収され、血管内に入ると抗原抗体反応(アレルギー反応)を起こしやすくなります。腸管には固有の免疫細胞の集団(パイエル板と呼ばれるもの)があり、毎日多量のIgA抗体を産生し、分泌しています。このIgA抗体は侵入してくる多量のアレルゲンと結合し、アレルゲンが体内に入ることを防止していますが、食物アレルギーを持つ子供はこのIgA抗体の産生量が少ないことも知られています。7−8歳頃に通常レベルにまで到達しますが、それまでは低い値を示します。これもアレルギーを引き起こす一つの原因だと考えられています。

特に、乳幼児期に食物アレルギーが多いのは、この消化吸収能力が未熟なことが大きな原因です。その未熟な時期に、栄養面が心配だからと、高栄養価の食品を離乳早期からたくさん与えられることも大きな原因となっています。ただ、年齢とともに消化能力が高まると、症状が落ち着いてくる場合がほとんどです。しかし、体がアレルギーを記憶しているので、環境の変化(就学・就職、一人暮らしの開始など)に伴う食生活の変化(乱れ)、ストレス、大病や出産などにより、再発の危険性があるので、大きくなれば完治すると言うものではないことを忘れないように!

<参考>
◇少しの風邪でも抗生物質を使うこは、正常な腸内細菌を殺してしまうので、腸内細菌のバランスが崩れ、腸壁を通過しないもの(アレルゲン)まで通してしまう原因となるので、抗生物質の使用を最低限にとどめることが必要です。ちなみに、抗生物質を使用する目的は、風邪のウイルスを退治するのではなく、体力が弱ったところに他の細菌による感染症を防止することです。抗生物質の服用で下痢症状を引き起こすことが多いですが、これは上記に書いたように、腸内細菌のバランスを崩してしまうためです。

◇健常人がアレルギーを起こさない理由は、腸管がアレルギーを含む食物を多量に摂取しても、消化酵素が充分に機能してアレルゲンを分解するからです。また、腸管のパイエル板で主に作られるIgA抗体がアレルゲンの侵入を阻害してくれることや、経口免疫寛容(食物に対して、免疫系が反応しないこと。この免疫寛容が何らかの原因で壊れると、即アレルギーの発生に結びつく)などで保護されていることも大きく関与しています。

e)遺伝的な要因
遺伝が大きく関与しているのは事実です。しかし、食物アレルギーの場合は複雑で、IgA抗体、経口免疫寛容などの特別な機構があり、これに遺伝が関与すると考えられますが、詳細は未だ不明です。食物アレルギーの発症は遺伝性が強いのか、ライフスタイルの影響が関与しているのかという問題ですが、最近では後者が大きく関与している可能性が高いと言われています。ちなみに、食物アレルギーを発症している乳幼児・小児の約50%が、家系内にアレルギー素因、もしくはアトピー性皮膚炎を持つ人がいる場合が多いようです。

f)自然寛界
乳幼児・小児期に原因となる食物を口にできなくても、成長とともに食べられるようになることを自然寛界といいます。詳細はこちらをご覧下さい。今、食物アレルギーで悩んでいるお母さん・お父さん方は、この自然寛界を目指して、いつかは子供さんたちが食べられることを目標に除去食を頑張ってみませんか?

2.様々なアレルギー性疾患(食物アレルギー・花粉症など)やアトピー性皮膚炎の増加の原因
以下の要因が単独ではなく、様々な要因が同時期に複雑に絡み合ったために、アレルギー性疾患やアトピー性皮膚炎が増加したと考えられています。

a)食事要因
◇離乳開始の早期化が原因と考えられています。ここ20年くらいの間に、約1ヶ月以上も開始が早くなり、生後4ヶ月の時点で、半数前後の乳児に何らかの形で卵を与えられているようです。この原因には、離乳準備として与える既成品(ベビーフード)に多少の卵や牛乳・乳製品が何らかの形で含まれていること(例えば、裏ごし野菜に乳製品が入っているなど:生後2−3ヶ月頃から使用OKのもの)、働くママさんが増えているので、保育所に預けることも多くなっていますが、この育児中に卵や牛乳・乳製品を含んだ食品が給食としてして頻繁に利用されていること、または母親の卵・牛乳過信(妊娠中・授乳中の卵・卵製品、牛乳・乳製品の過剰摂取)が考えられ、卵や牛乳の早期摂取がアレルギーの発症を促進させていることが、臨床的にも実験的にも裏づけがされているようです。実際、離乳食に5−6ヶ月でチーズやヨーグルト、卵黄などをあげている人がはとても多いのですが、症状がない場合でも後期以降がおすすめです。

◇人工栄養(ミルク)による育児の増加が原因の1つと考えられています。理由は、母乳に含まれるIgA抗体を摂取できないからだそうです。母乳育児では、生後半年で免疫が切れ、栄養分もほとんどなくなり、水状になるから、それ以上授乳をしても意味がないように思われている方も多いようですが、実際はそんなことはありません。確かに初乳や生後半年までと比べると、抗体の量は減るかもしれませんが、0にはなりません。生後半年で0になるのは、胎生期に胎盤を通してももらったIgG抗体です。ミルク育児の場合は、生後半年で母親からの免疫は切れますが、母乳育児の場合は、断乳時までIgA抗体をもらっています。また、栄養面に関しては、授乳初期から断乳時まではほとんど成分が変わらないというデータもあるようです。さらに、母乳には消化器官の粘膜保護や消化を助ける役割もあります。また、ミルクは牛にとっては成長に必要なタンパクや脂肪分・糖分などを充分に含んでいますが、ヒトにとって良いものとは限りません。中には消化しづらいものが多くあり、これがアレルギーの一因となっています。ただ、高度成長期前後頃(自分たちの親世代)は、母乳育児よりミルク育児を推進する時代だったので、その頃からのミルク育児の影響(つまり、自分たちの体質)が今の子供たちに反映されているとも言われています。

◇食生活の欧米化嗜好(スパゲティー・カレー・ハンバーグなど)による小麦と糖質のとりすぎが原因とされています。欧米食の特徴として、同じ食物(卵・牛乳・チーズ・バター・小麦・ジャガイモ・肉類など)が多く登場し、それを繰り返し食べる傾向が強くなり、その分、食物がアレルゲンとなる確率が増えたと考えられています。欧米人の体質と日本人の体質が異なり、消化能力も違うことから、同じ食物を頻繁に繰り返し食べると、アレルゲンになりやすいそうです。しかし、これらは欧米食のみならず、和食、中華などでも同様です。また、食生活の欧米化と加工食品への依存度が増したため、高脂肪食・高カロリー食が増加していることも要因です。加工食品を多くとりすぎることにより、塩分の取りすぎ、カルシウムの多量消費による骨の弱体化、精神的いらつき感増大、添加物の多量摂取などの弊害もあるようです。

◇現在、5大アレルゲンといわれているものは、米、小麦、卵、牛乳、大豆です。これらを現代のように大量に食べるようになったのは、歴史から見るとごく最近のことだそうです。昔の日本人の主食はイモ類、雑穀(稗・粟・きびなど)でしたが、急激な食生活の変化により、本来の日本人の体質とあわなくなり、体自身が対応できなくなっていることがアレルギーを引き起こしている原因のようです。また、第二次大戦後以降(特に高度成長期以降)の食生活の改善により、卵、牛乳・乳製品、肉の動物性たんぱく質の摂取量が極端に増加したことも大きな原因だと考えられています。

b)環境要因
◇生活環境の変化も大きな要因として考えられています。排気ガスによる大気汚染、住宅環境の気密化(密閉化:昔の日本家屋のように風通しが良くないことなど、建築素材の変化、生活様式の変化など)、エアコンの年中使用によるアレルゲンの増加(換気が悪いため)、生まれたときから清潔すぎる環境で生活すること(石鹸の使いすぎ、抗菌グッズの氾濫など)が多くなり、ウイルスや細菌などの感染を受けにくいため、体本来の免疫防御機構であるTh1系(主に、IgG抗体が関与)が機能しづらく、お腹の中にいるときと同じTh2系(IgE抗体が関与する、アレルギー型)が優位に立ったままの状態が続いているなど(免疫系詳細については、こちらを参考)。

◇精神面による影響も症状の悪化の要因です。まず、家族関係が重要なポイントです。家族関係(特に、夫婦仲、もしくは同居する他の方と両親)の関係が悪いと、自然と子供にストレスを与える原因となります。また、アレルギー症状の改善が遅いため、多くの治療法に短期間に飛びつき、逆に症状を悪化させ、いらいら感がつのり、子供にやつあたりや虐待をしてしまうことなども、子供への影響が多大です。

◇年齢があがると、社会の不安定さや混乱(不景気による希望通りの進学・就職が困難、失業など)、身の周りの環境の変化(引越しによる人間関係の変化など)も大きな要因となります。

c)その他
軽度の風邪症状において、抗生物質が頻雑に処方されることにより、腸管内の正常な常在菌までが死滅することが多く、腸管内の常在菌のバランスが崩れることが多くなり、消化機能などが低下し、食物が分解不十分なまま、体内に取り込まれることが原因とも考えられています。抗生物質は風邪のウイルス退治が目的ではなく、体力が弱った体に他の細菌が感染して、肺炎などを予防するために用いられるものです。症状が軽度の場合はあえて使用する必要がありませんが、症状が重い場合は使用する必要があるので、その境界線の見極めが重要となります。

3.食物日誌について
食物アレルギー(アトピー性皮膚炎や他のアレルギー疾患)において、食事&生活記録、発作記録、服薬などの治療内容を記録したもの(食物日誌)が、今後の診察を受けるときや、原因探求のために重要な役割を果たします。詳細は、こちらをご覧下さい。

4.治療法
食物アレルギーにしろ、アトピー性皮膚炎にしろ、明確な治療法や統一した治療法は確立されていません。そのため、治療を行う際に最も重要なことは、この疾患を理解することです。この疾患は体質的要素が大きな原因の1つであるため、薬を服用すれば一気に治り、その後、服用を中止しても再発をしないというようなものでもありません。症状を軽減するためには、この体質を徐々に変化させるための生活環境の改善と、日々のスキンケアや軟膏などの塗布、抗アレルギー剤の内服など気長に行う必要があります。そのため、現在わかっている症状や周囲の環境などとの共通点を見つめながら、あらゆる角度から原因を探求していく必要があります。詳細は、こちらをご覧下さい。

5.食生活の改善
◇伝統的な和食を基本とすることが重要。ただし、和食に多く使われる塩と砂糖の使いすぎには注意すること。
◇精製度の高い調味料を避けること。砂糖の場合、精白糖をやめ、てんさい糖、オリゴ糖などミネラル分の豊富なものを使用。塩に関しても同様で、精製塩をやめ、天然塩を利用(参考)。
◇食物繊維、ビタミン、ミネラルなどを多く含む食品を多くとることを心がける。例えば、緑黄色野菜(小松菜・ほうれん草・カボチャ・人参など)、海藻類(わかめ・昆布・海苔・メカブ・ひじきなど)、雑穀(稗・粟・キビなど)、根菜類(大根・カブ・ごぼうなど)、小魚類(ちりめん・シラス・煮干など)、乾物類(切干大根など)などを積極的に料理に取り入れること。
◇生野菜をなるべく食べないこと(サラダ類は温野菜にすること)。体を冷やす原因となります。また、旬の野菜を多くとりいれることが重要(冬の野菜は体を温め、夏の野菜は体を適宜冷やしてくれるから)。特に、秋から冬場は体を冷やす原因となり、血流が悪くなり、アレルギーの症状が出やすくなります。そのため、この時期は、生野菜や果物(特に、柿や梨、メロンなど)は控えめにし、午後は特にやめましょう!
◇動物性たんぱく質として、魚介類を中心にし、肉類を控えめにすること。ただし、魚アレルギーも増えていますので、バランスよく回転を心がけることが重要となります。生魚、生肉の摂取はやめるべきだと思います。
◇脂肪分と糖分のとりすぎに注意すること。そのため、フライもの、ファーストフード、外食をなるべく避け、新鮮かつ良い素材(無農薬または低農薬、遺伝子組み換えではない、国産など)を用いた料理を心がけること。
◇チョコレート、ケーキ類、ポテトチップなどの洋菓子やスナック菓子、缶ジュース類などの間食を控えめにして、主食でおやつを補う(例えば、おにぎり・ふかし芋・干し芋など)。間食をあげる場合は、アレルギー用のお菓子など糖分・脂肪分を控えたもの、または手作りのものにする。
◇使用する油については、炎症を起こす原因であるアラキドンサンの原料である脂肪酸を多く含むベニバナ油など(通常、よく使われる油)の使用を避け、アレルギーを抑える役目のある亜麻の実油、しその実油を利用する(参考)。ただし、これらは加熱には不向きなので、加熱にはオリーブオイルなどを利用すること。
◇特定の食品を多量に頻回に食べないようにするため、回転食を心がけること。症状が出ていないからと食べ続けると、新たなアレルゲンを増やす原因となります。症状があり、除去食を継続中の場合は、5日ごとのサイクルで、それ以外でも抗原性の高い食品などは、3日サイクルごとにすることが望ましいと思います。また、除去食の解除が進んでも、主要アレルゲンとなっている食品はまずは週に2度程度で様子を見ながら、量を増やす、調理法を増やす、食べる回数を増やすなどの長期経過観察が必要となる。回転食を上手にするためにも、代替品を上手に活用すること。
◇症状が重度の場合、もしくはある食品(添加物を用いたものや仮性アレルゲンなど)に過敏症状が現れる場合は、家族とは異なる専用の鍋やフライパン、まな板、包丁、食器類を準備すること。100円ショップのもので充分。長年使用してきた、これらの器具や食器類には、洗剤で充分に洗っていても、成分が染み込んでいる場合が多いから(参考)。
◇小麦や大豆、およびそれらの製品は、可能な限り国産品でできたものを選ぶ(参考)。
◇なるべく家族みんなで同じ食事メニュー(除去食も含めて)を食べることを心がけること。親の作る料理は子供へと伝わり、みんなで食べることにより、食事の楽しさを感じることができるため。

6.アレルギー(主に、食物アレルギー)の予防法
アトピー性皮膚炎やアレルギー疾患の予防法の項を参考。


<参考文献>
◇馬場 實、中川武正編、食物アレルギーの手びき改訂第2版、p15−32、南江堂、2003
◇高田明和、アレルギーに負けない免疫体力をつくる、日本教文社、2002
 (これらの本の感想は、馬場ら高田にあります)

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