アレルギー・アトピー

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アレルギー・アトピーの治療法

食物アレルギーをはじめとしたアレルギー治療、もしくはアトピー性皮膚炎に関しては、明確な治療法や統一した治療法は確立されていません。そのため、治療を行う際に最も重要なことは、この疾患をある程度理解することです。この疾患は体質的要素が大きな原因の一つであるため、薬を服用すれば一気に治り、その後、服用を中止しても再発をしないというようなものでもありません。症状を軽減するためには、この体質を徐々に変化させるための生活環境の改善と、日々のスキンケアや軟膏などの塗布、抗アレルギー剤の内服など気長に行う必要があります。そのため、現在わかっている症状や周囲の環境などを考慮しながら、あらゆる角度から原因を模索・対応していく必要性があります。

主な治療法には、原因療法と対症療法の2種類があります。原因療法とは、皮膚疾患を含め、様々な症状を作る原因を明らかにして、生活環境からなるべく取り除く努力をすることをいいます。原因をうまく取り除いてあげることにより、健康な状態(症状が落ち着いている状態)にもっていくことを目標とします。体の内面から強くする意味でも、これがもっとも重要だと考えられます。一方、対症療法とは、薬物療法のことです。特に、現在出ている皮膚症状の治療に関しては、薬物療法が最適です。多くの場合は、薬物療法がうまくいって、ほとんどの湿疹状態を改善している状況で、湿疹・かゆみ・皮膚刺激の防止とそれぞれに対する治療のことです。ただし、この治療法は、表面上のみの解決手段です。そのため、根本的治療ができているわけではないので、原因療法との組み合わせで、治療に望むことがとても重要となります。その後、症状が落ち着いた時点で、脱薬物療法に持ち込むことができれば理想的です。

1.原因療法(食事療法・環境整備)
詳細については、除去食療法回転食療法ハウスダスト&ダニ対策などを参考にして下さい。

2.対症療法
@外用薬(ステロイド外用薬と非ステロイド外用薬)の塗布
炎症が生じている皮膚に関しては、まず炎症を抑え、なるべく早いうちに症状を改善させる必要性があります。特に、膿や汁(浸出液)がでて、じゅくじゅくしている場合です。この場合は、ステロイド外用薬単独、もしくは非ステロイド外用薬との併用により、なるべく短期間で症状を改善し、その後、非ステロイド外用薬(ワセリン・亜鉛化軟膏・アンダーム・アズノール軟膏など)のみを用いたスキンケアを行い、なるべく健康な皮膚状態(症状が落ち着いている状態)に持ち込むことが重要となります。単なる乾燥(ドライスキン)の場合は、保湿のみで充分な場合が多く、非ステロイド外用薬のみでスキンケアを行います(参考:スキンケアスキンケア&痒み対策の項)。

A抗アレルギー薬、抗ヒスタミン薬の服薬
外用薬の使用のみでは、炎症を抑えても、痒みを抑えることはできません(抗痒剤配合を除く)。そのため、痒みがひどい場合には、内服薬(抗アレルギー薬・抗ヒスタミン薬)の治療が必要となります。抗ヒスタミン薬は、炎症を起こしたり、皮膚に痒みを起す原因物質であるヒスタミンが肥満細胞より放出されることを抑制します。また、抗アレルギー薬は、ヒスタミン以外の他の炎症系の化学物質も放出しないようにすることです。

これらの服薬は痒みを抑える目的のみならず、食物療法を行う際、多数のアレルゲンがあり、完全除去が困難な場合や、除去による精神的苦痛を伴う場合(特に母親が苛立ちが多くなり、育児への困難が考えられる場合、普通食から除去食に入る幼児の場合)、代替食品の入手が困難な場合、保育園・幼稚園など就学に際し、除去が不完全になる場合や次第に除去を緩和する場合などに用いられることが多いです。ただし、服薬最中であっても、主なアレルゲンとなる食物の除去を継続することは重要です。その後、症状が落ち着いてきた時点で、服薬を頓服(アレルゲンの食品を食べる場合のみなど)で済ますとか、通常食にしても症状が出なくなれば、徐々に投薬を中止する方向にもっていきます。

Bその他
◇イソジン療法
乱用すると、アレルギー性のかぶれ(アレルギー性接触性皮膚炎)を起す原因となり、逆に重症患者も多くなります。その際、万が一、手術をする必要性が出た場合には、手術のための消毒にイソジンが使えなくなります。必ず医師との相談の上、慎重に行う必要性があります。

◇海水療法
海水浴に行くと良くなると話を聞きますが、悪化する例も多く認められます。すべての患者には適応していないので、注意をして下さい。海水浴やプールに行くことは悪いことではありませんが、海水の塩分やプールの塩素消毒された水分が体に残留した状態だと、皮膚症状をさらに悪化させますので、水泳後すぐに、必ずシャワーで充分にこれらの成分を落とし、保湿をすることが望ましいです。

◇民間療法
効果の程は個人差が大きく、常識の範囲内でやることをおすすめします。そのためにも、冷静な判断力を持って対処すること、万が一、少しでも悪化傾向が認められたら、すぐに中止する決断力が必要です。その一例としては、アロエ、オリーブ油、馬油、木酢油、シソの葉エキス、ヨーグルトなどが知られています。

◇温泉療法
泉質と体質によっては、症状を悪化させる場合もあります。すべての患者に適応しているわけではありません。万が一、少しでも悪化傾向が認められたら、すぐに中止する決断力が必要です。

◇漢方薬療法
上記と同じく、個人差が大きく、有効かどうかは疑問視されています。漢方には様々な成分が含まれており、同じ漢方薬を用いたとしても、個人の体質により、有意差が生じやすいと思います。悪化傾向が認められたら、すぐに中止する決断力が必要です。

◇酸性水療法、アルカリ性療法
上記と同様です。すべての患者に適応しているとは言えませんので、医師の指示に従うことが望ましいです。

これらの治療は短期間で終えるものではありません。短くても数ヶ月、長いと数年単位の期間が必要となります。このため、短期間(たとえば、数週間から1ヶ月くらい)で効果がないと、次々と新しいことを試すと、逆に悪化させる可能性があることを忘れないで下さい。特に、食事療法(原因療法)は、充分な効果が出るまでに2−3か月かかる場合が多いと思います。

3.治療法に対する私見
まず、薬だけでは根本的な解決とはなりません。症状の悪化を抑えてはくれますが、体の内面からの治療ではなく、表面上の治療のみです。特に、食物アレルギーに関しては、年齢とともに消化能力があがるので、軽度のものなら自然寛解する場合がほとんどです。除去食が面倒でできない、または甘くしか望めない場合、薬物のみで対処することも充分に可能ではあると思いますが。しかし、その場は一進一退で過ごすことが可能でも、年齢があがり、アレルギーマーチとして、皮膚症状とは別の症状が出てきたり(アレルギー性気管支喘息・アレルギー性鼻炎など)、青少年期に入り、受験や進学、就職など人間関係などでストレスがたまると、一気に皮膚症状などが悪化する例が最近多くなっているようです(体はアレルギーを忘れないため)。

この場合、薬物療法のみでは効果が認められない例が多いうえに、ダニなどの環境アレルゲンや食物アレルゲンの数が増えているため、食事療法と薬物療法を同時に行う必要性が生じます。この際の食事療法は乳幼児期と異なり、社会生活とのしがらみも強くなり、食事管理が難しく、相当な困難が生じる上、除去食により友人や職場の同僚とのお付き合いもうまくできなくなり、精神的にストレスがたまり、ますます症状が悪化することも多くなるようです。そのため、乳幼児期に、しっかりとした内面からの療法を行い、アレルギー再発を予防する必要性があると考えられます。

あとは信頼できる医師・栄養士もしくはセカンドオピニオンを早く見つけることと、その治療法を信頼することです。医師が信頼できないからと、病院を転々とすることや、自分に不安を持ったまま、効果があると聞いた療法に、次々と飛びつくことは最も危険です。その際は症状が良くなる場合が少なく、悪化する場合が多いと思います。悪化が進むと、青少年期まで続く場合が多いので、低年齢での治療の重要性を理解することが必要だと思います(青少年期の治療の方が難しいため)。

また、乳幼児・小児期では、環境の整備と食事療法が重要です。青少年期になってからよりは回復力が早く、これらに配慮するだけでも、症状が改善していく場合が多いのです。上記にも書いたように、年齢があがるほど、精神面での影響が多大になるため、心理療法が必要になる場合もあります。特に、乳幼児・小児の場合は自然寛界する場合も多いので、それを目指しながら、しっかりと原因療法を行うことをおすすめします(参考:医師選びと我が家が選択した治療法)。

4.最後に…
アレルギー・アトピーに関しては、明確な治療法や統一した治療法があるわけではないので、「100人のお医者様がいらっしゃれば、100通りの治療法がある」と思います。どの先生を選び、どの治療法を選択するかは、ご家庭で判断する以外にはないのです。つまり、ご家庭で納得のできる、かつ長続きのできる治療法、これが現在のベストな方法であることになります。絶対にストレスがたまらない治療法はもちろんありませんが、あまりにもストレスが多大すぎて、ご自身もしくはご家族、もしくはその関係に影響が出て、子供に精神的ストレスを与えるようなものであってもならないということです。また、症状の出具合、出ているとしたら、アレルギーとの関連性があるかないかの判断はとても難しく、お医者様でも判断できず、間違って判断されることも多々あります。これはアレルギー専門医だから、そうでないからは関係ありません。そのため、自分自身が納得できる説明をして下さる医師、お子様をきちんと見てくれる医師を選ぶ、これが医師(病院)選びの1つの基準となると思います。


<参考>
西岡清、アトピー性皮膚炎テキスト改訂第2版、p56−69、南江堂、2000年
(この著書の感想はおすすめの本内にあります)


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