アレルギー・アトピー

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離乳の進め方(離乳の基礎知識)

<はじめに>
現代のようにアレルギー・アトピーっ子が増えた理由の1つに、離乳食の早期開始、早期からの乳製品・卵など、多くのタンパク摂取などが原因だと考えられています。健常児では、生後6ヶ月頃になり、ようやく離乳の受け入れ開始が可能となると考えられている程度の時期で、まだまだ未熟な段階です。アレルギー・アトピーっ子ではそれらの発達がかなり遅れるので、なおさら未熟な状況です。健常児における第一段階の発達目安時期は1歳前後、第2段階の発達の目安時期が2歳以降、大人並みの消化能力に近づくとされる目安が3〜4歳以降といわれていますので、アレルギー・アトピー体質を引き継いでいる可能性のある子は、最低でも数ヶ月遅れると思います。

しかし、産院、病院、保健所などの栄養指導では、生後2ヶ月頃からの果汁や野菜スープの開始、生後4ヶ月頃からの重湯開始などを進めているところが、いまだに多いのが現状です。ミルク・離乳食販売会社との関連もあると思いますし、早く食べさせたい保護者が多いのも現状です。また、ベビーフードの成分表示を見てみますと、生後2−3か月頃から使用できると表記しているものでさえ、乳製品や添加物などが使用されていますし、生後4−5ヶ月頃から使用可能なベビーフードになると、卵黄成分などが使用されているものも少なくありません。

特に、現代っ子(乳幼児)の3人に1人が親の遺伝に関係なく、発症の有無を問わず、何らかのアレルギーをもっているといわれる時代ですから、離乳食を進めるにあたり、不安を抱くのはなおさらだと思います。最近は、ネットや書物、マスメディアなどで、アレルギー予防に離乳開始は遅い方が良い(生後半年以降の開始が理想的)ということがいわれるようになりましたが、それでも社会全体の離乳早期開始・早期タンパク摂取に関する意識改革が行われるには、最低でも数年〜十数年かかるものと思われます。

ここでは、通常の離乳指導とは多少異なりますが、アレルギー予防またはアレルギー・アトピーっ子の離乳食の進め方に観点をおき、なるべくアレルゲンを増やさないために、「回転食」を基本とし、お子さんの体にあう食品を摂取する「素材選び」に焦点をおき、その参考例を書きたいと思います。ただ、お子さん1人1人のアレルゲンが異なりますし、発症のしかた(即時型なのか、遅発・遅延型なのか)なども異なります。そのため、これはあくまで参考例であり、『お子さんの離乳受け入れ状況や症状などを充分に観察しながら離乳を進める』ということを忘れないで下さい。また、多少開始時期が遅くても、進行度が遅くてもあせる必要はありません。あせる気持ちは、お子さんの腸内環境を乱したり、消化器官の発達を妨げる原因となりますので、疑問に思うことがあれば、1度立ち止まって考えてみることも必要となります。特に、離乳開始以降、夜泣きやぐずりがひどくなってる場合は、消化に負担がかかっている可能性が高いので、離乳を中断する、与える量を減らす、タンパク源を遅らせるなどの工夫が必要です(参考)。

また、離乳完了(1歳頃〜1歳6ヶ月頃)までは、母乳やミルク中心で構いません。特に、1歳頃まではそちらからの栄養摂取で充分だと思います。そのため、通常とは考え方が異なりますが、母乳・ミルクが主体で、離乳食は補助程度、つまり、食事中心の生活に移行するまでの練習段階という程度にとらえると良いと思います。


<離乳開始前の基礎知識>
◇回転食
アレルゲンになりやすい条件は、同じ素材を多量に食べること、同じ素材を連続して食べること、アレルゲンとなりやすい動植物性タンパクを多量かつ頻回にとることです。これらにより、除去するアレルゲン以外に、新たなアレルゲンとなる素材を増やさないために、「回転食」という方法を用います(参照)。この「回転食」とは、同一食品を一定の間隔をあけて与える方法です。回転食の目的は以下の通りです。

@新たなアレルゲン増やさないこと
Aアレルゲンの発見を容易にすること
B耐性獲得とされた素材が再度アレルゲンにならないようにすること

この回転食の効果を充分に発揮させるためには、中4日以上の間隔をあけることが重要とされています。そのため、「5日回転食」がよく用いられています。つまり、1日目に食べたものを6日目に食べる方法です。少なくともアレルギー症状が落ち着くまで、もしくは予防的には離乳が完了する幼児食に入る頃までは、この「5日回転食」が理想的です。もちろん、これが困難な場合やアレルギー予防もしくは除去解除試験がはじまった場合などは、「3日回転食」でも構いません。逆に、主食など(特に穀類)で多種アレルゲンの方の場合、特に症状悪化に関与するというものを除き、離乳期の場合、8〜11日回転で行うこともあるそうです。上記Aが目的のようです。いずれにせよ、腸管発達が未熟な乳幼児の場合、この回転食により、多種抗原感作の予防をすることは重要だそうです。

参考までに、なぜ、「5日回転」なのかというと、摂取した素材が体内からほぼ排出される(約99%以上)のに要する時間だそうです。3日だと、約90%以上だそうです。ただし、これは一般的な素材で、例えば、油脂類や添加物など体内の脂肪に溶け込むような物質の場合、数週間〜数ヶ月もしくは数年単位のものもあるようです。

下記に、回転食の具体例を示します。ちなみに、冬が旬とされる野菜を代表例としました。

5日回転食の具体例
日目 7…
食材例 白菜 大根 カブ 小松菜 ブロッコリー 白菜 大根

3日回転食の具体例
日目 6…
食材例 白菜 大根 カブ 白菜 大根 カブ…


<離乳食を与える量・味付けなどの目安>
離乳完了期くらい(最低でも、1歳すぎ)までは、離乳食は腹8分目にし、求められるがままに与えないことが重要だと思います。離乳期の赤ちゃんの消化器官の発達は未熟です。「食べるから」、「欲しがるから」と、ついつい喜んで多く与えてしまうと、胃腸などの消化器官に大きな負担をかけることになります。それが原因で、腸粘膜が荒れる原因となり、中には傷ついて、腸からの出血がまれに起こる場合もあります。また、腸が荒れることにより、腸内細菌のバランスが崩れ、アレルギー症状を誘発したり、症状悪化の原因となることがあります。また、今まで食べられていたもの(特に、魚類などの蛋白源)がすべて食べられなくなったという体験談なども多数ありますので、くれぐれもご注意下さい。

特に、この時期は母乳やミルクで栄養は充分ですので、ほとんど食べなくても心配なさらずに、上記で書いたように『食べる練習』ということを忘れないで下さい。ただ、たくさん食べる赤ちゃんの場合、目安がわからない場合もあるかもしれませんので、下記に目安を記します。この量は上限であり、これ以上食べさせない方が良いということです。また、下記表に示した月齢は、あくまでも一般的な進め方を基準としたものです。そのため、お子さんの症状、食欲、進行度などに応じて、数ヶ月遅らせたり、体調や症状が芳しくなくて、離乳を途中で一時中断をすることに、何かしらの問題はないと思います。むしろ、無理して進めることの方が長い目で見たときに問題が出てくるかもしれません。

離乳の進め方参考例
(上段:一般例、中段:1ヶ月、下段:2ヶ月遅らせたときの参考例)
(開始月齢はお子さんの体調や症状に応じて、さらに遅らせてもOKです♪)
. 準備期 初期 中期 後期 完了期
月齢 5〜6
(6〜7)
(7〜8)
6〜8
(7〜9)
(8〜10)
8〜10
(9〜11)
(10〜12)
10〜12
(11〜13)
(12〜14)
12〜18頃
(13〜18頃)
(14〜18頃)
回数 0〜1回 1回 2回 2−3回(+おやつ) 3回(+おやつ)
硬さ 水分
(湯冷ましなど)
どろどろ
(ジャム状態)
舌で
つぶせる硬さ
(豆腐くらい)
歯茎で
つぶせる硬さ
(バナナくらい)
大人に近い硬さ
小さじ
1−6
小さじ6 子供茶碗
半分
子供茶碗
8分目
子供茶碗
1杯
調味料 味なし 味なし 醤油 味噌・砂糖
出汁・油
その他☆ 準備期は
省略可能
野菜・穀類の
開始
抗原性の低い
白身魚・肉類の
開始
小麦・豆腐
抗原性が低い
豆類の開始
納豆、黄粉、
抗原性の高い
魚・肉類
卵・卵製品
牛乳・乳製品の
開始

◇小さじとは計量スプーン(小)=5ml(g)の分です。上記は1回の食事量です。
◇1歳頃までは、動物性由来の出汁をなるべく使わないこと(野菜をゆでて作った出汁や昆布出汁はOK)。
◇味付けは食べ方が落ちてきたら、徐々に薄い塩味からはじめ、醤油、味噌へと進む。砂糖や油はなるべく1歳頃まで使用しないこと。
◇その他で☆をつけた理由:アレルゲンが各個人により異なりますので、各自、医師・栄養士の指導のもと、離乳を進めたり、除去解除などを行って下さい。ただし、アレルゲンの除去解除を1歳前に指示された場合は、アレルギーの再発予防の意味では、少なくとも1歳以降まで除去をする方が無難です。そのため、あくまでも、上記はアレルギー予防ための開始の目安です。アレルゲン以外の素材のみ参考にして下さい。
◇母乳育児中の方の授乳は、離乳開始後も3時間以内が理想的です。

<スープや裏ごしなどの作り方と保存>
新しい食材を試すときのスープや裏ごしなどの作り方は、どの月齢になっても同じです。

◇野菜スープ&野菜の裏ごしの作り方と保存
一般的な離乳の進め方では、数種類の新鮮な野菜を準備し、それらを一緒に煮るのですが、ここでは上記で記述したように、「回転食」という方法をとりいれますので、単品で作ります。作り方ですが、野菜をそれぞれ1種類ずつ、湯の量が約半分くらいになるまで煮詰めたものです。あくの強い野菜類の場合、2度ゆでして、3度目にゆでたスープもしくは裏ごしを与えると良いと思います。また、2度ゆでする理由には、抗原性を低くすること以外に、無農薬でない商品であれば、その残留農薬の量を少しでも減らすことを目的としています。野菜などの選び方・調理の注意点などについては、こちらを参考にして下さい。

毎日新鮮な野菜を購入し、こまめに調理をすることは理想的です。しかし、回転食を行う上で、こまめに調理をしていたら、育児・他の家事にしわ寄せがきて、気が狂いそうになるくらい大変です。そのため、私は手抜きのために、スープをまとめ作りをし、小分け冷凍保存しておきました(1回使用分ごと)。ある育児雑誌には、スープなら約1ヶ月、野菜の裏ごしなら約3週間は冷凍保存が可能とありましたので、離乳完了時まで、このように冷凍小分けを上手く活用して、手抜きをしました。とはいえ、鮮度に敏感な赤ちゃんも多いので、上記の期間内でなるべく早めに、理想的には、約2週間以内の冷凍保存を目処に使用すると良いと思います。

◇肉類・魚類のスープの作り方
1種類ずつ、ほんの少しの肉類や魚類を煮て、水分が半分くらいになるようにします。途中、あくや油がたくさん出ると思うので、それらをとりながら、かつ、ゆで汁を捨てて、再度お湯をくわえて、あくをとりながら、2度ゆですると良いと思います。そして、3度目にゆでたスープと肉類や魚類を使用します。魚や肉類はこれらのスープでも強く症状が出る場合もありますので、初めての素材のときは特に注意をして下さい。これらの素材選び、調理法、離乳の進め方などは、肉類魚類をそれぞれ参考にして下さい。

◇穀類(米・雑穀)
重湯やお粥は普通の作り方で充分だと思いますが、低アレルゲン米や雑穀を使うときは、こちらを参考にして下さい。また、特殊な事情(医師の指示・糖質に症状が出る場合など)がない限り、離乳期の玄米の使用はおすすめしません。

◇一般的な注意点
離乳開始時期がゴールデンウイーク、お盆休み、年末年始に該当する場合は、これらの休みが終えて、1〜2週間後の開始をおすすめします。万が一の時の病院が開いていないこと、帰省やお出かけ、人ごみなどの疲れなどから、症状が出やすくなります。そのため、目に見えない疲れが落ち着いた頃の開始をすすめています。また、短期帰省先および旅行先で、新しい素材を与えないことが重要となります。場所がかわり、精神的・肉体的に落ち着かない場合、症状が出やすくなります。特に、新しいタンパク源の開始はしないようにします。ただし、転地療法的に、長期滞在する場合はその状況に応じて、体調や症状などを判断しながら、離乳を進めて下さい。


アレルギー予防のポイント
離乳準備期離乳初期離乳中期離乳後期離乳完了期離乳完了→幼児食

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