アレルギー・アトピー
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離乳の進め方(離乳初期)
離乳の一般的な進め方では、生後5ヶ月頃になり、赤ちゃんが食事を欲しがるようなそぶりを見せたら、離乳の開始の目安とされ、お粥から徐々にはじめます。この場合、離乳準備期で重湯を使用している場合がほとんどで、1日目はお粥1さじ、2日目は2さじ、3日目に3さじ…と徐々に量を増やします。その後、野菜、穀類(イモ類・小麦など)、タンパク(卵黄・乳製品・豆腐・白身魚など)を同様に進めることになっています。
しかし、
離乳食の基礎知識にも書きましたが、このような進め方では、ようやく離乳受け入れ準備ができた程度の未熟な消化器官は、アレルゲンとなりやすいタンパクを摂取することで、腸粘膜が荒れやすく、傷つきやすい状態であり、腸内環境が乱れる原因となります。特に、アレルギー・アトピーっ子の消化器官の発達や消化能力は、健常児よりさらに未熟です。そのため、素材の多くが未消化の状態のまま(大きな分子の状態のまま)、ザルのような腸粘膜を容易に素通りし、体がそれを異物として、過剰認識し、容易にアレルゲンとなりうるということです。もちろん、これは健常児も同様で、欲するがままに食べさせることで、消化能力を超え、アレルギーを後天的に作る要因となっているのです。
そのため、上記をなるべく予防するために、通常より、約1〜2ヶ月程度遅らせた生後6〜7ヶ月以降、赤ちゃんが親の食事を見て、口をもぐもぐさせるなどのそぶりを見せたら、離乳の開始と考える方が良いと思います。離乳開始の目安を生後6〜7ヶ月と書きましたが、これはあくまでも目安にすぎません。初乳にもっとも多く含まれ、アレルゲンが消化管を通過しないように粘膜保護する役割もつ抗体であるIgAを自分で充分な量を盛んに分泌するといわれているのが、健常児で生後10〜12ヶ月頃からなので、アレルギー・アトピー予防を考えると、本来はこの頃からの開始が理想的なのではないかなと思います。あくまで、理想ですが…
特に、離乳初期は栄養の摂取とはまったく関係ありませんので、開始が遅れたからといって焦る必要性はまったくありません。母乳やミルク以外の味に慣れ(母乳は常に味が変化しているので、特にミルク育児の赤ちゃん対象)、食事に興味をもたせることを目的としているだけなので… また、離乳開始以降、夜泣きやぐずりがひどくなってる場合は、たとえ、スープや裏ごし1さじでも、消化に負担がかかっている可能性が高いので、離乳を中断する、与える量を減らすなどの工夫が必要です(
参考)。
現在、5大アレルゲンといわれるものは、米、麦、卵、乳、大豆です。そのため、最初は野菜スープから開始します。これは最近、穀物アレルギー(米や麦)が増加していることとや、米アレルギーは検査でも陰性で、隠れ型アレルゲンとして、潜在している可能性があるからです。その後、野菜の種類がある程度増えたら、穀類に進みますが、初期では野菜と穀類の素材選びを中心に行うと良いと思います。
<実際の進め方の参考例>
1.野菜の進め方
@
食物抗原強弱表のうち、抗原性が低く(抗原度@またはA)、なるべく季節的に旬の新鮮な野菜を最低5種類選びます。例えば、冬の時期なら、白菜、ブロッコリー、小松菜、大根、カブを用いて作った5種類の野菜スープを準備します(
参考)。便宜上、7種類準備し、曜日ごとに野菜を決めてしまうと、最初は迷わずに回転できると思います。また、予防的であるならば、
基礎知識で書いたように、3日回転でもOKです。
A新しい食材を試すときは体調が万全であること、および体表面に出ている症状の確認を忘れずに行うこと。
B離乳開始ですが、上記@の野菜スープを日替わりで、1さじずつ与えます。この際、便の状態の変化や体の症状の有無(発赤・湿疹・かゆみなど)がおこらないかを確認すること。即時型はもちろんのこと、遅発・遅延型(数時間後〜少なくとも翌朝)の確認も忘れずに行い、大丈夫な素材であるかどうかを判断すること。症状が出やすい場合は、2日に1度くらいのペースでの離乳でも良いと思います。翌日に遅延型反応が出ることも多いので、新たな素材を与えてしまうと、どちらの素材で症状が出ているかわからなくなるからです。また、症状が出やすい、もしくは重篤な症状が出たことのあるお子さんの場合は、最初のスープ1さじを与える前に、スープを唇に少量つけて、約15分観察して下さい。駄目な場合は、この時点で唇が腫れたり、蕁麻疹、痒み、呼吸器症状が出てくることもありますので、注意が必要です。そして、OKだった場合、そのままスープ1さじを与えるか、もしくは次回にするかは、症状・体調により判断して下さい。
C野菜スープ5種類すべての1回目を終えたら、6日目から最初の野菜スープに戻り、2さじ〜欲しがるだけ(最大6さじくらいまで)に増やします。ただし、症状は出ていないけど、予防的にやられている方は、1回目の野菜スープを1〜3さじくらいにして、2回目から裏ごし1さじに入っても良いと思います。ただ、野菜スープ1さじで、症状が微妙な場合は、症状を確認する意味でも、きちんと2回目をやった方が良いと思います。裏ごしを直接与える方が、症状が強く出る可能性が高いので…
D野菜スープで、症状の変化がないのであれば、いよいよ裏ごしに進みます。裏ごしも順序通り、1さじ→2さじと進めます。
E上記の繰り返しにより、野菜の種類を徐々に増やしていきます。この新しい素材の与え方は2回食以降でも同様ですし、タンパクの場合でも同様です。ただし、タンパクの場合は、スープでも野菜より強い症状が出る可能性があるので、ご注意下さい。
下記に具体例を示します。ちなみに、冬が旬とされる野菜を例としました。
| 5日回転食の具体例 |
| 日目 |
1 |
2 |
3 |
4 |
5 |
| 食材例 |
白菜 |
大根 |
カブ |
小松菜 |
ブロッコリー |
| 形状・量 |
スープ1 |
スープ1 |
スープ1 |
スープ1 |
スープ1 |
| 日目 |
6 |
7 |
8 |
9 |
10 |
| 食材例 |
白菜 |
大根 |
カブ |
小松菜 |
ブロッコリー |
| 形状・量 |
スープ2 |
スープ2 |
スープ2 |
スープ2 |
スープ2 |
| 日目 |
11 |
12 |
13 |
14 |
15 |
| 食材例 |
白菜 |
大根 |
カブ |
小松菜 |
ブロッコリー |
| 形状・量 |
裏ごし1 |
裏ごし1 |
裏ごし1 |
裏ごし1 |
裏ごし1 |
| 日目 |
16 |
17 |
18 |
19 |
20 |
| 食材例 |
白菜 |
大根 |
カブ |
小松菜 |
ブロッコリー |
| 形状・量 |
裏ごし2 |
裏ごし2 |
裏ごし2 |
裏ごし2 |
裏ごし2 |
◇裏ごし:裏ごしをスープで伸ばしたもの
◇裏ごしの1回目で症状が出なければ、16日目から新しい素材の模索を同様にはじめても構いません。この場合、例えば、16日目:白菜の裏ごし2さじ+チンゲン菜のスープ1さじ、17日目:大根の裏ごし2さじ+長ねぎのスープ1さじ…となります。ただ、信頼性をさらに高めたい人は裏ごし2さじを終えた21日目から、同様に新たな素材選びに入ると良いと思います。
◇あくまで予防的にやられている方は、上記でも書いたように、1回目は野菜スープを、2回目(6日以降)は裏ごし1さじから入ってもOKです。
<注意事項>
@新しい素材に挑戦をする場合、どの離乳段階においても、スープから開始します。食事の時間帯は、かかりつけの病院が診察をしている曜日に行い、なるべく休診の日はやめましょう。特に、中期以降のタンパク源の素材選びのときは重要ポイントになると思います。
A自宅以外での離乳開始および新しい素材への挑戦はやめること。特に短期帰省中や旅行中です。環境や精神的な変化により、アレルゲン以外の素材でも症状が出る場合があります。自宅で、落ち着いた普段の環境の中で行うことが最適です。
B野菜には仮性アレルゲンというものがあり、野菜自体に痒みなどの原因となるヒスタミンなどが含まれているものです。それらに過敏な赤ちゃんの場合、仮性アレルゲンの野菜(人参・かぼちゃ・ほうれん草・ジャガイモなど)(
参考)を食べると、湿疹が出たり、夜中に痒みで寝られなくなるなどの症状が出る場合がありますので、その場合は、少なくとも後期〜完了期頃まで与えるのを控え、体調や症状に応じて、再度与えて下さい。
2.穀類の進め方
野菜の素材がある程度増えると、いよいよ米になります。米は5大アレルゲンの1つで、隠れ型アレルゲンとなりやすい(遅発・遅延型のため、発症の判断がしづらい)素材のため、アレルギー・アトピー体質の場合は、う
るち種白米(もち性が入らない品種:ゆきひかり・ササニシキなど)、低アレルゲン化されたお米(ケアライスAカットご飯など)、
雑穀(稗、うるち粟、うるちきび、キヌア、アマランサスなど)を用いて重湯を作ります。
重湯も野菜スープと同様、1さじから順にはじめます。ただ、米は日々の主食となるため、1日目が重湯1さじ、2日目が重湯2さじ…というように進め、症状に問題がなければ、10倍粥に入ります。これも同様に1さじからはじめます。ただし、これはあくまで予防的なものです。普通の方で、少しアレルギーに注意をしたいという方であれば、普段ご使用の白米で充分です。小麦の使用に関しては、5大アレルゲンのアレルゲンの1つであることを考慮すると、なるべくなら、離乳後期以降の開始をおすすめします。
ところで、穀類にアレルギーがある場合もしくは疑いのある場合、3日もしくは5日回転食を採用します。
低アレルギー米・
雑穀・
デンプンの中から、3〜5種類選び、回転をします。ただ、イネ科がどうしてもメインとなりますので、キヌアやアマランサスなどイネ科以外の穀類もしくはイモ類やタピオカ粉などのデンプン類を導入し、回転にくわえると、イネ科アレルギー予防に効果があるようです。症状によっては、2回食回転法などもあるようです(例えば、1日目朝・昼:ケアライス、1日目夕・2日目朝:うるち粟、2日目昼・夕:うるちきび…)。これは3食連続摂取により、症状が出る場合です。ただし、雑穀にも症状を示す場合は、
イモ類、カボチャ類などのデンプン類(タピオカ粉・さくさく粉・葛粉など:片栗粉はジャガイモなので、イモ類との回転での併用は無意味)の採用となると思います。この回転の中に小麦を入れる場合もありますが、小麦も5大アレルゲンの1つで、イネ科ですから、なるべくなら、後期以降の使用が望ましいと思います。もちろん、小麦アレルギーがある場合には麦類全般の利用は最低でも1歳頃まではしないで下さい。あくまでも除去解除は、主治医に従って下さい。また、穀類アレルギーがある場合、初期から穀類を利用せずに、後期以降に開始する場合も考えられますので、主治医と相談の上、開始して下さい。ただし、米アレルギーの可能性が高い場合は、重湯(米・雑穀)を最低でも8ヶ月より早く開始しないことだそうです。
<注意事項>
@穀類アレルギーの疑いがある場合は、腸管内のバリアーがある程度完成される生後8ヶ月頃までは、野菜とイモ類などのデンプンの摂取のみにとどめる方が米への感作予防となるそうです。生後8ヶ月以降にお子さんの症状や体調を見ながら、重湯を週に1−2回程度から取り入れていくと良いと思います。
A雑穀の利用は食物繊維が多いため、消化酵素の分泌を良くするため、消化管や消化機能の発達を促すそうです。また、風邪などもひきにくくなるようです。消化管や消化機能の発達が未熟なアレルギー・アトピーっ子には、ぜひ上手に回転に取り入れて使用したいものです。粒を使用しづらい方のために、乾麺(創健社)が販売されていますので、こちらを利用すると便利だと思います。ただし、雑穀の利用に関しては、医師・栄養士により意見が分かれますので、穀類にアレルギーがある方は、主治医の指示に従って、ご利用下さい。雑穀が利用できなくても、食物繊維が多い野菜類、海藻類、イモ類など根菜類を積極的に取り入れることで腸を鍛えます。
こちらも参考にして下さい。
B雑穀の種類ですが、もち系は抗原性が高くなるので、利用の際は必ずうるち系を用いて下さい。また、雑穀ブレンドのように、混合されているものは使用せず、単品で購入して利用して下さい。ブレンドの場合、そばやもち系、ゴマなど抗原性の高いものが含まれますし、万が一、症状が出ても何に反応をしているのかわからなくなります。
Cきびですが、うるちきび、ホワイトソルガム(白たかきび)、コーリャン(たかきび)は近縁で非常に類似しておりますので、これらを別々に回転にくわえないで下さい。回転の意味がなくなります。きびの日にこれら3種を目的従って使い分けをするようにして下さい。また、トウモロコシもきびの近縁ですから、きびに症状が出る場合、上記のきび種にくわえ、きびとの回転で使用をしないで下さい。また、これらと粟の共通抗原性も高いため、ご注意下さい。
D離乳食でよく用いられるジャガイモは仮性アレルゲンの1つです。痒みが出やすいので、なるべくなら1歳以降からの利用開始が望ましいようです。ジャガイモからできた片栗粉も同様です。この場合、タピオカ粉やサクサク粉をとろみ付けに代用して下さい。ただ、穀類アレルギーが強く、ジャガイモを利用しないと食べるものがなくなる場合は、お子さんの症状に応じて利用して下さい。参考までに、1歳まではやめた方が良いとされる仮性アレルゲン(穀類以外)は、ジャガイモ、バナナ、キウイ、鮭です。離乳の一般的な進め方で常用される素材なので、ご注意下さい。
◇
離乳食の基礎知識、
アレルギー予防のポイント
◇
離乳準備期、
離乳中期、
離乳後期、
離乳完了期、
離乳完了→幼児食
<参考>
◇
除去食対応&アレルギー予防用レシピ(離乳食・幼児食&母乳育児中の方用)
◇
食物抗原強弱表(東京医大方式食物抗原強弱表)
◇娘の日々の離乳食〜幼児食の内容「
進め方」&
内容(育児日記)
ただし、当時知識がほとんどなかったので、大目に見て下さいね。
◇息子の日々の離乳食の内容:「
進め方」&「
内容(育児日記)」