母乳育児
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乳腺炎とマイナートラブル、その予防と対策
1.乳腺炎体験記
私は産後2週目から桶谷式母乳育児相談室に通いはじめました。それでも、産後2ヶ月はトラブル続きでした。需用と供給があわないことはもちろんのこと、食事管理の甘さが原因だったように思います。食事管理のことは、母乳育児相談室に最初に訪問したときに教えてもらいました。なるべく守るようにはしましたが、心のどこかで「そんなに厳密にしなくても…」という思いはありました。
産後1ヶ月目は、ちょうど年末年始で、クリスマスやお正月という行事続きです。クリスマスのケーキこそ我慢をしましたが、ケーキを味見程度に1口なめたりしました。すると、その日の夜は痛みで泣きました。また、お餅そのものは食べないけど、お餅を入れた後の雑煮の汁と具を食べて、おっぱいが張ったりしました。その究極が乳腺炎でした。それも家族3人ではじめて向かえた元旦の3日目に突然です。当日は起床時から、おっぱいがぱんぱんに張っていましたが、痛いのを我慢して母乳をあげていました。2時間後には寒気がきて、布団をかぶって寝ても歯はがくがくするし、体の震えも止まらなくなりました。熱を測ると、38度を越えていました。測るたびにどんどん上昇していきます。「これが乳腺炎?」と、ふと思いまいたが、すでに考える余裕もなく、熱は午後には39.4度まで上がっていました。途中で解熱剤のバファリン(規定範囲内なら、授乳中でも服用可)を飲みましたが、効果はありませんでした。休日ということもあり、産婦人科に連絡すると、助産師さんが午後4時からくるので、その時にきてくださいとのこと。高熱があっても、母乳をあげないと、さらにおっぱいの状態がひどくなるので、意識朦朧とする中で授乳をしました。母乳の出が悪いのか、はたまたおいしくないのか、1時間ごとに泣かれ、そのたびに授乳を頑張りました。夕方、産婦人科に行く頃には、微熱にまでなんとか下がりました。冬の外気温で冷却したこともありますが…
乳腺炎の熱の特徴は、一過性であることです。ただ、40度近くの高熱のために、本人をはじめ、家族が動揺してしまいます。笑い話にしてよいのかどうかわかりませんが、奥さんの高熱に慌てふためいて、救急車を呼んだ人もいるという話を聞きました。
産婦人科では、診察とマッサージを受けました。診察では、左のおっぱいに、しこりや発赤が数カ所あり、先生はこのおっぱいを見て、一言。「これはちょっとひどいね〜」。診断名は血液検査後につきますが、たぶん、乳腺炎で間違いがないとのこと。とりあえず、3日間分の抗生物質と鎮痛剤を処方してもらいました。その後、助産師さんに1時間以上マッサージをしてもらいました。白斑も併発していて、その腺からの母乳の出が悪くなっているのが原因のようで、腺を充分に開通してもらいまいた。また、乳輪部の下がとても痛いので、そこに炎症部位があるのだろうということでした。2日後に桶谷式のマッサージを受けて、次第におっぱいは落ち着きました。
2.乳腺炎時に注意すべきこと(乳腺炎やマイナートラブルの予防もかねる)
<乳腺炎予防と対策>
◇入浴は、シャワーもしくは下半身浴とし、短時間で終える。できれば、午前中の入浴がのぞましい
→体が温まることによる、おっぱいの張りを抑えるため。夜の入浴は1日の疲れがたまっているため、ますますおっぱいが張りやすくなるので、なるべく控えること
◇抗生物質の服用は、よほどひどい乳腺炎でない限り、熱が下がれば中止をすること
→抗生物質の服用により、おっぱいが張りやすくなるため、
→「欄外の注意事項」参照
◇食事は和食中心とし、食事と水分の摂取量を控えること
→母乳の産生量を抑え、おっぱいの張りを抑えるため
◇最低でも、2〜3時間ごとの頻回授乳を行うこと
◇いろんな方向から飲んでもらうため、抱っこの方法を工夫すること
◇飲んでくれないときは、適度に搾乳をすること
→古いおっぱいを残さないようにするため
◇葛根湯の服用をすること。液状なら1日3〜5本までOKだそうです
◇冷却シート(冷えピタなど)の貼付
◇糊湿布・ジャガイモ湿布・サトイモ湿布・アロエ湿布・キャベツの葉などの貼付
→おっぱいの熱をとり、張りを抑えるため
→各湿布の作り方は、
こちらを参考♪
◇あたためたり、揉んだりしないこと
→おっぱいが張ったり、乳腺や基底部を傷つける原因となるため
<抗生物質服用の注意>
上記で、産院で処方された抗生物質の服用は、高熱が下がった時点で、服用を中止した方が良いと記述しました。乳腺炎の原因となる、「たまった古い母乳」をおっぱいから排出しないと、症状の改善には至りません。しかし、抗生物質を服用すると、母乳の産生は次第に減りますが、たまった母乳はそのまま乳腺内に残るので、乳房内で次第に変質して腐敗する原因となり、最悪は化膿してしまいます。ただし、炎症がひどい場合には、指示通り、抗生物質を服用して下さい。化膿した部分の細菌が血液を通じて、肺に入り、敗血症を起こす可能性もまれにあります。この場合、命にかかわりますので、自分の炎症の程度については、充分医師に聞くことが重要だと思います。
医師によっては、乳腺炎治療中は授乳も禁止といわれ、授乳をやめる人が多く見受けられます。しかし、このパンパンに張った状態の痛いおっぱいを子供に吸わせないことは逆効果で、さらに症状を悪化させる可能性があることと、1週間程度授乳をしなければ、一種の断乳状態と同様になり、おっぱい自体が萎縮してしまい、母乳の分泌が減り、母乳不足に陥ります。
そのため、今後も母乳育児を望むのであれば、上記の予防と対策は必ず厳守し、助産院や産院などの助産師を1度訪れ、たまった余分な古いおっぱいを排出してもらうことをおすすめします。そして、症状が落ち着いてきても、最低1週間は上記の予防と対策を守り、普通の生活に徐々に戻すことが理想的です。しかし、1度乳腺炎になると、またいつ再発をするかわかりませんので、食生活と授乳の方法などには充分注意をして、日々の生活を送られることをおすすめします。
3.マイナートラブル(白斑・しこりなど)私は白斑・しこりなどのマイナートラブルをいろいろ経験しました。ごりごり・しこり(ひどいときは板のような固まり)・白斑・腺の詰まり気味などです。ごりごりやしこりは赤ちゃんが飲み残しをして、古い母乳がたまるためです。白斑は乳頭部分に白い膨らみができて、吸われるたびに痛みが走ります。白斑はなんらかの原因で腺の一部(特に表層部)が細くなり、その部分に母乳がたまったもので、腺自体が詰まっていなければ大丈夫だそうですが、なるべくたまらないようにしないといけません。また、、高脂肪の食べ物などを口にしたときに、母乳が「ねとー」となって出にくくなったり、固まりとなった脂肪分が腺管の途中で詰まっていたりなど、マイナートラブルは母乳育児を続ける限り、絶えません。マイナートラブルで終わればまだ良いのですが、上記のように、乳腺炎に発展もしかねないのが怖いところです。
乳腺炎を1度経験してしまった私は、2度となりたくないという思いから、食事にはとても気を配りました。「やり過ぎじゃないか」と言われるほどです。少しでも嫌な予感がしたら、子供にしっかりと飲んでもらい、葛根湯の服用や長湯をしないなど、上記の予防を試みたので、それ以降、断乳まで、乳腺炎を経験することはありませんでした。もちろん、マイナートラブルは避けられませんでした。マイナートラブルや乳腺炎は、どの季節にも起こりえますが、冬に多く発症するようです。特に、雪がたくさん降った日、つまり、気圧が低い寒波がきた日だそうです。気圧が低いといえば、台風も関係するそうです。ともかく、気圧でおっぱいの状態がかわるなんて不思議ですね… あとは、ストレスや疲れ・体調の悪化によっても、乳腺炎などのトラブルは起こりますので、ただでも大変な育児、休める時はゆっくりと休んで下さいね!
4.終わりに…
この項目だけ見ると、「母乳育児は怖いわ」とか、「面倒だわ」などという印象をいだく方も少なくないと思います。また、上記のことを一生懸命に頑張っているのに、乳腺炎を繰り返すことを涙されている方も少なくないと思います。でも、赤ちゃんがおいしいおっぱいを飲んで嬉しそうな顔をしてくれたり、すやすやと安心して寝てくれたりなど、良いこともたくさんあります。そんな楽しいことを頭に浮かべ、いろんなトラブルを克服または予防するために、頑張ってみませんか?